【レア魚】タケノコメバル

魚類

タケノコメバルは「スズキ目カサゴ亜目メバル科」に属し、食材としては珍しい部類に入る魚です。

メバルと言えば堤防釣りの定番で、日本全国で見ることができる魚。タケノコメバルは珍しいのかと言えばそうでもありません。

“メバル3種”と呼ばれる「クロメバル、アカメバル、シロメバル」は特に有名で、季節問わずに市場に流通し、食材としてもメジャーな存在です。

メバルはよく似た沢山の種に分かれていて、その中で比較的にレアな扱いなのが「タケノコメバル」です。

「メバルみたいな魚を釣り上げたけど、なんか違う」という場合、メバルに間違いはないけど厳密にはレア種のメバルだということがありがち。

体の模様が“筍(タケノコ)”にそっくりなので“タケノコメバル”という名前が付いたわけですが、どんな魚なのか、詳しく調べてみました。

【筍模様のメバル】タケノコメバルはどんな魚?

名前に「筍」を持つメバル。筍模様のタケノコメバルです。

メバル全般は「春告魚(はるつげうお)」の別名を持つので、特に本種には季節的な意味が込められているように思います。

メバルが青魚なのか、また寄生虫のリスクについても調査します。

タケノコメバルの値段は?

タケノコメバルは知名度が低く、体の模様から受ける印象も人それぞれなので、市場の評価は定まりません。高かったり安かったりする魚。

旬の春を迎えると値段は上がって高級魚扱いとなりますし、時期に限らずサイズの大きな個体は高値をつけることが多いです。とりわけ筍が出回る時期は、タケノコつながりの2つの食材の取り合わせがオシャレということで需要も上がりがち。

筆者が本記事で紹介している個体は、鮮度も良く春に買い求めたものですが、サイズが小さめだったので1000円/㎏でした。でも脂がのっていて身も厚かったので、筆者的にはもっと評価されても良い魚なのでは?と感じます。味は正直、他のメバル類と何ら遜色ないと思いますし。

一方で、メバル類の価値は年々上がっている感じで、つられてタケノコメバルも値を上げているように思います。

カサゴのような、昔は大衆魚だったけど今や高級魚という流れに乗る可能性のある魚かもしれません。

タケノコメバルの由来

よく聞かれるのは、筍の出る季節に味のピークを迎えることから、「タケノコメバル」と名付けられたとする説。

体の色が竹の子の皮そっくりなところが由来ということでしょう。タケノコメバルの暗い黄褐色の体と黒い斑点が筍そっくり。

体色には濃淡があり、体のほとんどを点々とした模様が覆っています。

ほぼ規則的な大きさの黒い斑点は、タケノコメバルの特徴と言えるでしょう。

キジハタなどのハタ類と見間違ってしまうような点々とした模様は、メバル類の中では珍しいと思います。体に模様を持つメバルは多いものの、アカメバルやウスメバルなど、体の一部しかなかったり、不規則な形をしたりするパターンが多いです。

メバルは青魚?

タケノコメバルをはじめ、たくさんいるメバルの仲間は全て青魚ではありません。

「青魚」という言葉は、海面近くを泳ぐ一部の魚を指した主に料理業界で使われる言葉で、青魚についての解説記事で詳しく解説していますが、定義が曖昧な言葉です。簡単に言えば背中が青い青魚のことであり、メバルは青魚ではありません。

一方、メバルは赤身ではなく白身魚です。プリプリとした歯応えのある身質が特徴で、鮮度が良いものは刺身でも食べられます。

メバルの定番料理といえば煮付けで、小ぶりな個体が多いことと骨から出る良い出汁が出ることが、煮込み料理と相性が最強であると言われています。アクアパッツァなどにも最適。

メバル類の中には高級魚クラスの種もいますが、タケノコメバルは高級魚ではありません。個体数が少なく、認知度が圧倒的に低いのと、体の模様は見方によってはあまり良い印象を受けません。

でも、味は他のメバル同様めちゃくちゃ美味しい魚。認知度も徐々に上がってきていて、最近では結構いい値段で売られているケースもあり、価値は上がってきていると感じる魚です。

タケノコメバルの寄生虫

タケノコメバルでの例は聞いたことありませんが、アニサキスの危険性はゼロではありません。

メバル全般的に、小魚や小さな貝類、小さな甲殻類などを食べる肉食性の魚であるため、アニサキスが寄生する確率はあるはず。

生食する際は鮮度に十分気をつけましょう。逆に言えば鮮度さえ気をつければ大丈夫なので、過度に不安がる必要はないでしょう。

他の寄生虫としては、筆者の経験ではクロソイの謎の寄生虫とか、メバル属ではありませんが同じカサゴ科であるカサゴの寄生虫は衝撃的で、コイツはメバルにも寄生すると言われています。

タケノコメバルはカサゴと同じロックフィッシュ

メバル類の中でも比較的大きく成長するタケノコメバル。今回手に入れたものは少し小さめです。

ウロコはこんなかんじ。

陸に近い岩場に多く住むメバル類は、細かい旋回や狭い場所にとどまったりする能力が求められるので、胸ビレが大きく進化しているのが特徴です。

タケノコメバルは体の模様がハタ類に似ているので、見分け方としては胸びれの大きさも一つのポイントになってくるでしょう。比較的に沖のほうで活動するハタ類は胸びれはメバルほど大きくはありません。

ロックフィッシュといえばアイナメやメバルなどが有名で、中でもカサゴソイなどはメバルの仲間であり、岩礁帯を生活圏とする身近な魚達です。

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