スケトウダラ、あるいは「スケ(ソ)ウダラ」と呼ばれる魚。
明太子の原材料として欠かせない存在です。
スケトウダラの卵巣が加工されて、明太子や辛子明太子などとなるわけですが、卵巣以外の身は干物などにされることが多く、鮮魚のスケトウダラは意外と目にする機会は多くはありません。
今回は、あまり知られていないスケトウダラという魚について紹介します。
スケトウダラとは結局どんな魚か
あまりにも有名な「明太子」という存在が注目されがちですが、スケトウダラ本体にもスポットを当ててみましょう。
スケトウダラとマダラの違い
スケトウダラはマダラの仲間。「タラ目タラ科スケトウダラ属」に属す魚です。
ちなみにマダラは「タラ目タラ科マダラ属」で、スケトウダラやマダラの近縁種にはコマイ属の「コマイ」という魚もいます。

スケトウダラは、マダラに比べると、
- ヒゲが短い
- 目がでかい
- 下アゴが突き出ている
- 全体的に小さい
- 模様が微妙に違う
などの特徴があり、マダラより一回り小さい体をしています。
とは言え両者よく似ており、見慣れていないと間違えてしまうこともあるかもしれません。
上記の相違点を抑えていれば間違うことはほぼ無いでしょうs。
漢字表記「介党鱈」の意味は?
スケトウダラという名前を漢字で書くと「介党鱈」。この漢字は単なる当て字で意味はありません。
「スケトウダラ」という名前には意味があるのでしょうか?
結論から言うとよく分かっていません。
いくつかの説があるそうですが、wikipediaによると以下の通り。
- 「佐渡」が由来で「スケトウ(漢字で「佐渡」)」と呼んでいた
- 昔「スケソ」と呼ばれていて、後に「助宗鱈」という漢字が当てられた
- 「鮭の鱈」が「スケタラ」に転訛し、それが由来となった
- 漁が難しいので「助っ人」が必要だったから
いずれも切り口が全く異なる説でどれが正しいのかは謎。
スケトウダラの寿命
水深200〜500mほどに生息する深海魚で、体長は約70㎝。
寿命はよく分かっていないようですが、15年ほど生きるという説も。
産卵期は、12月〜翌3月頃の間で地域毎に変動し、肉食性で、小魚や甲殻類の他に貝類なども捕食対象と、マダラほどではなくとも食いしん坊なのでしょう。
北太平洋に広く分布していて、日本だけなく様々な国で食べられている魚です。

体表はマダラと同様にヌメっとしており、深海魚の特徴を持ちます。

スケトウダラの白子は旨い
タラの白子と言えば高級品ですがそれはマダラの話で、スケトウダラのものはちょっと格が落ちます。
だけどスケトウダラの白子も旨い。卵巣となれば「明太子」として超有名ですが、精巣でもひと盛り上がりできそうです。

さっと湯にくぐらせてぽん酢で食べるのが美味しいですよ。あとは天ぷらにしたりも。

ところで、「明太子、たらこ、辛子明太子の違い」についても説明記事を書いています。
ちくわ(竹輪)やカマボコ(蒲鉾)も実はスケトウダラ
さて、スケトウダラの卵巣や精巣以外の使い道は?
と言えば、残念ながら先ほども書いた通りひたすら加工あるのみです。丸干しや棒鱈などに代表される干物に始まり、かまぼこや竹輪などの練り製品など、幅広く加工品として利用されています。
ただ、普通に焼き魚として食べたり、ホイル焼きや鍋物でももちろんOKです。
味はめちゃくちゃ淡白だし、焼いて固くならずむしろホロホロと崩れるタイプの身質です。魚の苦手な人には好まれるかもしれませんね。
スケトウダラは刺身で食べれる?
スケトウダラは刺身では食べないの?という疑問がわきます。
もちろん刺身でも十分おいしいです。マダラと同様に水分が多いので、その辺の処理の工夫が必要だとは思いますけど。
ただ、よほど新鮮なものでない限り、生食は避けるべきかもしれません。
というのも、寄生虫(アニサキスやシュードテラノーバ)がほぼ寄生しています。スケトウダラを処理していて何回も遭遇していますので、生食はあまりオススメしません。