
貝殻で海を測る
| 読み | かいがらでうみをはかる |
| 意味 | 小さな貝殻で海の水をくみ、海水の量を測る。自分の狭い見識だけをもとに大きな問題を議論しようとすることのたとえ。 |
蟹穴主義
| 読み | かにあなしゅぎ |
| 意味 | 渋沢栄一の「論語と算盤」の中で、自分の身の丈を守ることが肝要であることを表現する文脈で使われた言葉。カニは自分の体の大きさに合わせて巣穴を作るという意味。 「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」と同じ意味。 |
蟹の念仏
| 読み | かにのねんぶつ |
| 意味 | カニが口からブクブク泡をたてるがごとく、ブツブツとつぶやくさま。 |
蟹の横這い
| 読み | かにのよこばい |
| 意味 | カニの歩き方はぎこちないように見えるが、カニにとっては一番適した歩き方であるという意味から、はた目には不自由に見えても自分にとっては最も適しているということ。 |
蟹は甲羅に似せて穴を掘る
| 読み | かにはこうらににせてあなをほる |
| 意味 | 大きなカニは大きな穴を、小さなカニは小さな穴を砂に掘って住まいとする。人もそれぞれ能力や実力に応じた欲望を持ち、分にふさわしい仕事をせねばならないというたとえ。 |

木に縁りて魚を求む
| 読み | きによりてうおをもとむ |
| 意味 | 魚を取るのに木に登るような、間違ったやり方をすること。的外れで愚かな行為のたとえ。 「木に縁って魚を求む」とも言う。 |
金魚の糞
| 読み | きんぎょのふん |
| 意味 | 一人の人間にたくさんの人間がついて回っているさま。また、影響力のある人間に弱い人間が媚びへつらう様子を言う場合もある。 金魚は糞をぶらさげたまま泳ぐ姿がよく見られる。 |
魚腹に葬らる
| 読み | ぎょふくにほうむらる |
| 意味 | 海や川で水死するたとえ。魚の餌となりその腹に葬られるとの意。 |

腐っても鯛
| 読み | くさってもたい |
| 意味 | 「腐っても鯛」のことわざの意味は、代表的な高級魚の鯛は、多少痛んだところで下魚よりは価値があるということ。転じて、高級なものが多少悪くなっても何らかの価値があるという表現に使われる。 家柄が良かったり周りの評価が高い人が少し落ちぶれても、やはり気品があったり役に立つということ。 |
| 対義語 | 「麒麟も老いては駑馬に劣る(きりんもおいてはどばにおとる)」の意味は、風のごとく駆ける神獣でさえ年老いてしまうと普通の馬にも追い抜かれてしまうことから、いくら能力がある人でも老いには勝てないという例え。 他にも、「腐っても鯛」の反対の意味のことわざは「昔千里も今一里(むかしせんりもいまいちり)」とか「昔の剣今の菜刀(もかしのつるぎいまのながたな)」などがある。 |
鯨に鯱
| 読み | くじらにしゃちほこ |
| 意味 | 「くじらにしゃちほこ(鯨に鯱)」とは、つきまとって害を与えること、またはつきまとって離れないことのたとえ。 鯱(しゃちほこ)は「シャチ」の意味。クジラの天敵であるシャチは、疲れ果てるまでクジラを執拗に追い回す。最大の哺乳類であるシロナガスクジラも、複数頭のシャチが連携して襲いかかり倒す事例が確認されている。シャチの英語名は「killer whale」なので、まさに「鯨を殺す者」ということ。 |
| 例文 | 彼は私の姿を見つけると、まさに鯨に鯱とばかりに付きまとってきた。 |
鯨にもり
| 読み | くじらにもり |
| 意味 | 強大なものも、一見とるに足らない小さな存在に制されることがあるというたとえ。 |
鯨の一喉焼き
| 読み | くじらのいっこうやき |
| 意味 | 絶対に見られない、あり得ないことのたとえ。 「一喉焼き(いっこうやき)」は、魚の尾頭付きの焼き物のこと。「一喉」は「いっこん」とも読み、1尾の魚、1匹の魚という意味。 |
鯨の喧嘩に海老の背が裂ける
| 読み | くじらのけんかにえびのせがさける |
| 意味 | 韓国にあることわざ。強者の戦いに巻き込まれて弱者が被害を受けることのたとえ。 |
愚痴をこぼす
| 読み | ぐちをこぼす |
| 意味 | 言ってもどうにもならないことをつぶやいて嘆くこと。「愚痴」はもともと仏教用語とされる。仏教においては、様々な苦しみを生み出す根源的なものという意味で使われる。 クログチやシログチなど、一般的に「グチ」と呼ばれる魚の名前の由来となったのが「愚痴」という言葉。グチは鳴く魚で、「グーグー」と鳴く様子が「愚痴を言っているようだから」ということ。鳴くと言っても、人間のように声帯があるわではなく、浮き袋を伸縮させる具合で“発音”する。目的は、威嚇の為とか求愛の為とかいろいろ説がある。 |
水母の風向かい
| 読み | くらげのかぜむかい |
| 意味 | いくらあがいても無駄なことのたとえ。クラゲが向かい風の方向へ進めない様子から。 |

鯨飲
| 読み | げいいん |
| 意味 | 水や酒などを一度にたくさん飲むこと。「牛飲(ぎゅういん)」と同じ意味。 |
鯨鯢
| 読み | げいげい |
| 意味 | クジラのオス(鯨)とメス(鯢)、またはクジラの総称のことで、弱いものをひと呑みにするような大悪人のたとえなどに使われる。 |
鯨鯢の顎にかく
| 読み | げいげいのあぎとにかく |
| 意味 | クジラに食われそうになる。海で危険な目にあって命を落としそうになることのたとえ。 |
鯨呑
| 読み | げいどん |
| 意味 | クジラが小さな獲物をまとめてひと飲みにするように、強大なものが小さな存在を圧倒的に掌握すること。他国を一挙に侵略すること。 |
鯨波
| 読み | げいは |
| 意味 | 大波のこと。あるいは、合戦などで大勢の人が一斉にあげる声のこと。鬨(とき)の声。 鯨浪(げいろう)と鯨濤(げいとう)は「大波」という意味で「鯨波」と同じ。 |
鯨鵬
| 読み | げいほう |
| 意味 | 大きいもののたとえ。 |

鯉の滝登り
| 読み | こいのたきのぼり |
| 意味 | 鯉が滝をのぼることから転じて、人の栄達、立身出世のたとえ。中国の古い言い伝えから。 |
香餌の下必ず死魚あり
| 読み | こうじのもとかならずしぎょあり |
| 意味 | 香りの良い餌の下には、常に死んだ魚がいるという意味。転じて、利益の影にはかならず危険があることをいい、利益のために身を滅ぼすこと。 |
鯒の頭には姑の知らぬ身がある
| 読み | こちのあたまにはしゅうとのしらぬみがある |
| 意味 | 一見骨ばかりのコチの頭には、量は少ないが美味しい身がかくれていることから、人が捨てるようなものでも、よく探せば価値のあるものが見つかるというたとえ。コチの頰肉は贅沢品である。 |

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鯒の頭は嫁に食わせよ
| 読み | こちのあたまはよめにくわせよ |
| 意味 | お嫁さんいびりの言葉。ほとんど身のないコチの頭は嫁に与えろという意味なのであまり使ってはいけない。 「コチの頭には姑の知らぬ身がある」とは逆の意味で、実際にはコチの頰肉は希少部位で珍重されるため、もし「コチの頭は嫁に食わせよ」となったら、「実は姑の知らぬ身があるのよ」と返せば良いと思う。 |
ごまめの歯ぎしり
| 読み | ごまめのはぎしり |
| 意味 | 実力のない者や取るに足らない者が、いくら批判したところで何も変わる者ではないということのたとえ。またはそういうことをするものではないという戒め。「ごまめ」は小魚のことで、イワシの若魚などを指す。 |

魚は殿様に焼かせよ餅は乞食に焼かせよ
| 読み | さかなはとのさまにやかせよもちはこじきにやかせよ |
| 意味 | 人は向き不向きがあるので、しっかりと適した者を選べというたとえ。 魚はゆっくり火を通したほうが良いので殿様のようにおっとりした人が適しており、餅は何度もひっくり返しながら焼くほうが良いので乞食のようにがつがつした人が適しているとの意。 言葉を入れ替えて「餅は乞食に焼かせよ魚は殿様に焼かせよ」と言う場合もある。 |
雑魚の魚交じり
| 読み | ざこのととまじり |
| 意味 | 小物が大物の仲間入りをしていること。また、身分や能力にふさわしくない地位に就くことのたとえ。雑魚が大きな魚の中に入り混じっていることから。 同じ意味で「鱓(ごまめ)の魚交じり」や「蝦(えび)の鯛交じり」の言い回しもある。 |
五月の鯉の吹き流し
| 読み | さつきのこいのふきながし |
| 意味 | さっぱりとして心にわだかまりのないたとえ。端午(たんご)の節句に立てる鯉のぼりには腹わたがないことから。 「江戸っ子は五月の鯉の吹き流し」のバリエーションもある。江戸っ子は、口では荒っぽいことを言っても腹の中はさっぱりしていることを表した言い回し。かつての江戸っ子のきっぷの良さが伺える言葉。 |
鯖の生き腐れ
| 読み | さばのいきぐされ |
| 意味 | 新鮮なサバだと思っていても、実際には腐り始めていて中毒することがあるというたとえ。 赤身魚は劣化が早く、ヒスタミン中毒に注意が必要である。 |
鯖を読む
| 読み | さばをよむ |
| 意味 | 物を数える時や年齢など、実際より数をごまかすことを言う。名詞化すると「鯖読み」。 サバは痛みやすく、昔は急いでいい加減に渡したサバが、実際は数が違っていたり悪くなっていたりしたことから、数をごまかす意味として語源になったとされる。 |
サヨリのように腹黒い
| 読み | さよりのようにはらぐろい |
| 意味 | 見かけと違い陰険(心がねじれている)な人を指すたとえ。サヨリは細魚と書き、見た目は綺麗な魚だが、腹を開いてみると腹膜が真っ黒である様子から、人間の外見と中身のギャップになぞらえて使われるようになった。シンプルに「サヨリ女」とか「サヨリ野郎」などとも言う。 |
細魚は雨を釣れ
| 読み | さよりはあめをつれ |
| 意味 | サヨリは群れで沿岸を回遊し、臆病で警戒心の強い魚。曇天や雨の日に狙えば、晴の日よりも容易に釣れるとされる。似たような言葉に、「細魚は一人で釣れ」、「細魚はコマセて釣れ」などあり、いずれも繊細なサヨリ釣りを形容した言い方。 |
猿の水練魚の木登り
| 読み | さるのすいれんうおのきのぼり |
| 意味 | 見当違いのことをするたとえ。猿は木に登り、魚は水中を泳ぐのが本来の自然の姿なので、逆のことをするのは間違っているという意味。 |
三月ヒラメは犬も食わぬ
| 読み | さんがつひらめはいぬもくわぬ |
| 意味 | 三月比目魚犬も食わぬ。旧暦3月(新暦3月下旬〜5月上旬)のヒラメは美味しくないということ。魚の旬のとらえ方は様々ありますが、「寒ビラメ」という言葉があるように、餌を食べて肥える12月〜2月頃のヒラメは脂がのって美味とされています。 |
秋刀魚が出ると按摩が引っ込む
| 読み | さんまがでるとあんまがひっこむ |
| 意味 | 秋はサンマが出回る。サンマには栄養が豊富に含まれているので、食べた人々は元気になり按摩に行かなくなるほどだった。 按摩(あんま)とは、揉んだり摩ったり叩いたりして患部を治す昔ながらの療法。按摩が要らなくなるほど、サンマは体に良い食材とされていた。 栄養学の発展した現代でも体に良い食材とされるが、一方で秋刀魚の食べ過ぎには注意が必要との見方もある。 |

水魚の交わり
| 読み | すいぎょのまじわり |
| 意味 | 魚は水があるからこそ生きていける。人間関係において、欠かすことのできない友の存在をたとえて言う。 |
俎上の魚江海に移る
| 読み | そじょうのうおこうかいにうつる |
| 意味 | 危機的な状況から脱して安全な場所に移ること。まな板の上の魚が川や海に逃げるという意味から。「俎」はまな板。「江海」は川や海のこと。 |
その手は桑名の焼き蛤
| 読み | そのてはくわなのやきはまぐり |
| 意味 | 「その手は食わない」や「そんなやり方には引っかからない」などの意味。「食わな」と「桑名」を掛け、三重県桑名市名物である焼き蛤を後に続けた言い回し。江戸っ子のダジャレ。 |





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