近頃はみるみる価格が高騰している秋刀魚(サンマ)。秋の味覚です。
値段が上がっている原因はどうやら色々あるらしく、主に言われるのが「海流の変化による不漁」だそうです。獲れなくなっているようですね、秋刀魚。
ちょっと昔だと旬の時期にはめちゃくちゃ沢山売られていて本当に身近な魚、それこそ叩き売り状態の光景もよく見ました。こうも海の変化が如実に出るかと怖さすら覚えます。
高級魚のような扱いとなってしまった今、秋刀魚を毎日食べることはないように思いますが、夢に描く秋刀魚に溺れる日々を過ごすと一体どうなってしまうのか。調べてみました。
秋刀魚(サンマ)を毎日食べたらどうなる?
秋刀魚は歴史の古い食材なので食べ方は色々あります。秋刀魚のおすすめレシピでも紹介している通り、レパートリーが多く毎日食べても飽きることがありません。
「魚食=健康」と単純に考えてしまいそうなものですが、どんな食べ物でも極端に食べすぎることは健康に悪いとされるケースは多いです。
秋刀魚も同じで、秋刀魚を食べまくる生活を送るとヤバいのでサンマ大好き人間の方は注意しましょう。
秋刀魚を食べすぎて「痛風」?
健康診断などで尿酸値が高いと注意された人は、注意すべき食材の一つとして「秋刀魚」を挙げられることがあるみたいです。
それは、秋刀魚がプリン体の多い食材とされているから。
「プリン体」と言えば「痛風」。
そもそも痛風というのは、体内で作られる尿酸が増えすぎている状態で起こる症状のこと。
足指の関節に突然歩けなくなるほどの激痛が走り、「風が吹いても痛い」から痛風と呼ばれ、世のビール大好き男性を震え上がらせています(痛風は男性に多い)。
尿酸はプリン体が分解されて作られるから、プリン体の取りすぎはあまり良くないというわけです。とは言え、秋刀魚だけ食べまくって痛風になったという話はあまり聞きません。
生活習慣病には、たぶん色んな要因が関係してくるのでしょうから、もし「痛風の気がある」とか言われたら、秋刀魚は我慢するしかなさそうです。程度によるのかもしれませんが。
ちなみに、秋刀魚の中で多くプリン体を含むのは「内臓部分」。
内臓まで食べるレシピが昔からある秋刀魚ですが、毎日サンマを食べたい人は内臓を取り除いてある開いた秋刀魚を食べることで、プリン体の取りすぎを抑えられるかも。
秋刀魚を食べすぎて「2型糖尿病」?
秋刀魚などの青魚には「オメガ3脂肪酸」が含まれているので、がんや生活習慣病の予防に良いとされています。
一方、食べすぎることで「2型糖尿病」になるリスクが高まるという研究もあるそうです。
「2型糖尿病って何?」となりますが、とりあえず一般的な生活習慣病として語られる糖尿病のことだと筆者は理解しています。
要するに食物のバランスの話で、体に良いものでも過度に食べ過ぎると悪い影響となってしまいますよ?ってことですね。
研究では、週に4食までで留めた方が良いとの報告もあるそう。
秋刀魚のカロリーや糖質について
秋刀魚のカロリーや糖質についても調べてみました。
サンマ1尾あたりの可食部がだいたい100g程度(内臓除く)。
塩焼きにした場合、100gあたりおよそ248kcalくらいだと言われています。生食の場合はもっと高カロリー。糖質は1尾(100g)あたり0.1g程度とのこと。
カロリーは魚にしてはかなり高いほうです。ご飯が茶碗1膳で160kcal前後ですから。一方で糖質はとても低いですね。
カロリーが高いので健康のため控えるべきかと言うとそうではありません。
DHAは魚介類からしか取ることができませんし、中でも秋刀魚にはDHAが豊富に含まれています。ガン予防に効果のあるビタミンAも豊富。
他には、血液をサラサラにするEPAという栄養素をはじめ、ビタミンA、B、E、カルシウム、鉄分なども豊富ですし、痛風と糖尿病のところでも言及した「オメガ3脂肪酸」も摂取できる健康食品です。
痛風と糖尿病を合併することもある
痛風も糖尿病も生活習慣病という意味では同じですが、発症する原因は同じでないようです。
医学的な話は筆者には良くわかりませんが、どうやら共通して言えることはどちらも「食生活」が大きく関わる病気であること。
秋刀魚は、過度に食べ過ぎなければ生活習慣病に良い食材なので、バランスを考えながら積極的に食べるべきだと思います。
今回いろいろ調べてみて、結局は何事も「過度」が良くないのだと気づきました。過度な塩分、糖分、油分。好物だからと言って毎食同じもの。とか。
秋刀魚に限らず、特定の食材を食べまくることなく、多くの品目を薄い味付けで適量食べることが生活習慣病から遠ざかる食生活なのでしょう、きっと。
サンマ(秋刀魚)の名前の由来
ちょっと脱線して、秋刀魚の豆知識などもついでに紹介していきます。
まず「秋刀魚」の名前の由来から。
「秋に獲れる刀のような見た目の魚」の意味で、秋刀魚(サンマ)ということです。
しかし実は、「サンマという読み自体は、その昔「サマナ(狭真魚)」と呼ばれていたことから、「サンマ」という言葉に変化したとする説や、大きな群れの魚を意味する「サワンマ」が変化して「サンマ」になったとする説があるそうですね。
古くは「サイラ(佐伊羅魚)」「サマナ(狭真魚)」「サンマ(青串魚)」と読み書きされていたらしいです。
サンマという読みに対して「秋刀魚」という漢字を充てがわれたのは、それよりも後ということになります。
秋刀魚は英語で何と言う??
「Pacific Saury」もしくは単に「Saury」です。
Googleで翻訳すると、漢字で翻訳(秋刀魚)した場合「pike」になり、平仮名もしくはカタカナだと「Saury」です。前者は間違いですね。pikeという英名の魚は別に存在します。

「明石家さんま」さんの芸名の由来
どんどん脱線して、秋刀魚つながりでお笑い怪獣「明石家さんま」さんの話も書いてみます。
さんまさんの芸名も、秋刀魚と何か関係があるんでしょうか。
これは、さんまさんのご実家が、サンマの水産加工業を営んでいたことに由来するそうです。
ご自分で選んだ名前ではないらしいのですが、日本人が大好きでみんな知っている「サンマ」という芸名と巡り合うあたり、普通じゃない感じがしてしまいます。
あと、刺身を紹介するのを忘れていました。
1週間に収まりきらない秋刀魚料理のバリエーションに改めて驚かされます。
最近では、サンマの生食も増えてきましたよね。青魚で鮮度が落ちやすいので、酢で絞めたりして食べることが一般的だと思います。
気まぐれ回遊魚?秋刀魚の値段について
最後に、ここ数年の秋刀魚の値段について。
じわじわと上がっている印象です。あくまで僕個人の所感ではありますが。
秋刀魚の旬が秋ってことは、回遊魚の秋刀魚がたまたま日本の秋の季節に日本にたくさん訪れるってことだと思います。
実は、サンマは年中出回っています。初夏にもたまにお魚屋さんで見かけますが、めちゃくちゃ高いです。
その生態は詳しいことがまだよく分かっていないらしく謎も多いようですので、極端に言えば、いきなり獲れる時期が変わるとかズレてしまうってことも、可能性としてはあり得るということなんですよね。
年々獲れる量も減ってきて、それにより価格も上がってきています。
これから100年先もずっと、サンマは日本人にとって「秋の味覚」であって欲しいと願うばかりです。
観察すると面白い秋刀魚の特徴
最後の最後に、秋刀魚の特徴について。
サンマを見慣れてしまっているので普段は変に思わないのですが、よく見るとサンマって変わった姿をしているのですよ。

特に口が特徴的。
開くとこんな感じです↓

鳥のクチバシみたいじゃありませんか?
このような口の形はサンマ以外の魚では見たことありませんね。プランクトンや小魚を捕食する時に、有利な口の形なのでしょうかね。。
「早く泳ぐ×効率良い捕食」を実現すると、こんな口の形になるのでは?