【シイラ料理の注意点】食べれるけど皮に毒があるから食中毒の恐れあり!

シイラ(鱰)魚介の雑学

シイラは地方によってはごく一般的な食用魚ですが、体の表面の「皮」の部分に毒を持つ魚なので、「シイラ料理」と聞いたら注意が必要です。

見た感じちょっとモンスター感があるため、「そもそも本当に食べれるの??」と及び腰になる人は少なくないはず。特に関東では少しマイナーな食材と言って良いかもしれません。しかし日本だけでなく国際的に認知された「食べれる魚」なのです。

味も良く可食部も多い、食材として優秀なシイラ。ところがマイナスポイントもあり、それは、シイラ皮に毒を持つ厄介な魚であるということ。

シイラが持つ毒性について、具体的には以下のような特徴があります。

  • シイラは、体の表面(皮)に食中毒を引き起こす毒素を持つ魚
  • 刺身とか生食するなどの食べ方は注意するべし!

刺身をはじめとした生食が完全にNGではありませんが、ある程度リスクが伴う魚ということ(食べ方やレシピについては後ほど紹介)。

今回は、そんなシイラの取り扱い方を紹介しつつ、一体どんな魚であるか調べてみました。

皮に毒を持つ魚「シイラ」の料理は食中毒に注意

シイラの体に触れると、分厚く屈強な皮のざらついた触り心地が食欲を奪います。

まるでアスリートのふくらはぎを触っているかのようにゴツゴツとしていました。(本当に食べれるのかよとさえ思ってしまう)

ちなみに、生きた化石「シーラカンス」とシイラの関係についても記事にしてますので気になる方はどうぞ。

そんなシイラについて色々調べると、刺身は美味しいという情報が散見され、やはりちゃんと食べることのできる魚のようです。

腸炎ビブリオ菌と表皮粘液毒

  • 腸炎ビブリオ菌
  • 表皮粘液毒

シイラは上記2種類の毒を持っています。

2つの毒素が何かと言うと、前者は海水中に生息する細菌の一種で、後者はシイラの体から出る粘液自体に毒があるということのようです。

これらの毒に当たると、下痢や嘔吐、発熱など、典型的な食中毒の症状が出ます。

そのため処理する際に注意が必要。

毒があるのは「皮」だけなので、皮を除去してしまうか、熱処理すれば問題はありません。皮を除去する時には工夫が必要(詳しくは後述)。

筆者は生食しませんでした。

前述した毒素たちは熱処理で分解するようなので、ちゃんと火を通して食べれば、まずは大丈夫でしょう。

シイラによる食中毒の症状

調べると、シイラの刺身を食べてから4〜5時間の潜伏期間を経て、吐き気、嘔吐、倦怠感、下痢、悪心、発熱の症状が見られた事例がヒットしました。

この事例では、発症する、しないも含めて症状には個人差があり、シイラの生食が原因の食中毒だと結論付けられたとか。

危険レベルについても調べてみました。シイラを食べて死亡した例はあるのでしょうか?

シイラによる死亡例、筆者が調べた限りでは確認できませんでした。

ただし、シイラと違う魚介類を食べて「腸炎ビブリオ菌」の食中毒を発症して亡くなった方がおられるようです。

シイラも持っている(かもしれない)菌が腸炎ビブリオ菌。魚の違いと中毒症状のレベルは違うのか?筆者にはよく分かりませんが、シイラを食べる時にも注意するに越したことはないでしょう。

さらに別件で海外の事例。十分に加熱処理をしたシイラ料理での死亡例があり、これは「ヒスタミン中毒」が原因だったようです。

ヒスタミンは魚介類のほか、味噌やチーズなどの発酵食品を食べる時に注意したい物質の一つ。加熱処理しても取り除けない厄介な食中毒原因の一つです。

皮に毒を持つシイラの生食について

シイラ(鱰)の背鰭(背ビレ)

皮に毒を持つ可能性が高いとされる魚「シイラ」。

取り扱い方法を書いておきます。

もし刺身で食べるなら、皮を引くまでの工程と、柵どりや刺身に切る工程を分けて、各工程間ではまな板と包丁をよく洗いましょう。

要するに、皮の毒を包丁やまな板に撒き散らさないような工夫が必要です。

なお、フライやソテーに使う場合も皮は引いた方が良いかもしれませんね。そもそもシイラの皮は硬くて美味しくなさそうです。

そして注意点をもう一つ。これは筆者の個人的感覚で一般的によく言われることでないかもしれませんが、あまり成長しすぎた魚は食べないほうが無難だと思います。

魚介類の食中毒の原因はいろいろあり、その中のいくつかで、老生した(長く生きた大きい)個体はリスクが高いとされています。シイラは2メートルにもなる巨大魚。1メートルくらいまでの若い個体を食用とする方が安心かも。

珍魚っぽいシイラですが、意外とスーパーなどでも売られていることが稀にあるらしいので、もし見かけたら、揚げ物などから試してみてはいかがでしょうか。

シイラの危険な「別の呼び名」

ハワイでは高級な食材としてこのシイラが扱われており、「マヒマヒ(mahi-mahi)」と呼ばれているそうです。

PCの漢字変換候補で「マヒマヒ」が「麻痺麻痺」と出ます。本当に毒を持ってるだけにこれは笑えない。

ちなみにこのハワイ語の「マヒマヒ(mahi-mahi)」とは「強い強い」という意味があるそうで、本当の意味を知ってもやっぱり危険?

日本では、シイラの地方名として「シビトクライ」というのがあるそうで・・。掘り下げたくない、触れたくなくなるほどのガチめのやばさを感じる名前です。

シイラはマズい?」の記事で他の豆知識とともに紹介しています。

ちなみに、シイラとシーラカンスって関係あるのでしょうかね。

超意外!シイラとヤマモモにある関係性についても書いてます。

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