クロダイ(チヌ)に毒はある?卵は食べてはいけないの?

魚介の雑学

クロダイはヒレについてるトゲが鋭く、釣りや料理で触っていると刺さってケガをすることが多い魚。

体がヌメるしサイズによっては重量もあるので、手から滑って指とかにトゲが刺さる事故はプロでも絶えません。そして指などから流血してしまうと、ふと思うのです。

「めっちゃ痛ぇ・・・。」

でも、想定より痛いのってまさかクロダイの針には毒でもあるのか?と不安になるケースも。今回はクロダイの毒について調べていきます。

クロダイ(チヌ)に毒はある?卵は食べてはいけないの?

クロダイの知名度は、マダイ(世間でタイと言えばマダイのこと)よりは低いものの、料理業界や釣りの世界ではスタメン入りスター選手と言って良いと思います。

正真正銘「タイ科」の魚であるクロダイ。味良し姿良しの「魚の王様」と呼ばれる鯛(タイ)の仲間だから味は抜群です。

しかし、タイ科はおしなべてヒレのトゲが鋭い。扱っているとどうしてもケガをしがち。そこで漁業に携わるプロは軍手や防刃手袋で取り扱います。

もしクロダイが持つトゲに刺さってしまった場合、毒などのリスクはあるのでしょうか?また、クロダイの卵は食べても良いのでしょうか?

クロダイに毒はあるのか?

ご覧のようにクロダイは背ビレや腹ビレのトゲが鋭いです。

クロダイ(黒鯛、チヌ)の背びれ

背ビレをよく見ると、何本もあるトゲに膜が貼ってあるような構造で、これは鰭条(きじょう)と言って魚の種類によっては先端が鋭く尖っていることが多いのですが、手に持つときに掴みどころが悪いと一瞬でケガします。

魚の種類によっては、この部分に毒を仕込んでいるヤツもいたり・・。人間よりも小さいとはいえ、生き物の防衛本能をナメてはいけません。

クロダイは、このトゲトゲの部分(鰭条〔きじょう〕の中の尖っている所で蕀条〔きょくじょう〕と呼ばれる部分)が特に発達する魚みたいで、その証拠が学名にも表れており、

学名の属名「Acanthopagrus 」は「棘のある鯛」の意

出典:wikipedia

・・・とのこと。

トゲの多いヒレを持つ一般的な魚だと、クロダイの他にマゾイクロソイなんかもケガしやすいのでご注意を。

体のあちこちが鋭く尖りケガする危険性が高いものの、クロダイに刺毒はありません。刺毒というのは頭部やエラ蓋、ヒレなどにある毒成分のことで、刺されれると強烈な痛みが数日続いたり、魚の自己防衛機能の一つと考えられています。

ただし、魚の体は常に海水に触れていて、その海水には様々な雑菌が存在するので、刺毒のないクロダイであっても油断は禁物。トゲによる傷から感染症を負うリスクもあることは忘れてはいけません。同時に料理用ならば出血した手で食材を触ることの危険にも注意が必要でしょう。

もし魚のトゲでケガをしてしまった場合は、患部をよく洗った上で消毒と止血をし、経過を見守ってください。

クロダイ(チヌ)の卵は食べても大丈夫?

クロダイは「雄性先熟」つまり性転換をする魚。これ実は魚社会では割と“あるある”な特性です。

季節によっては、卵持ちの個体に出会すでしょう。そこで気になる次の疑問。

クロダイの卵って毒とかないの?食べても大丈夫?」です。

結論は「食べても大丈夫」です。

魚の卵はどんな魚でも大抵は食べることができます。味は「焼きタラコ」を想像するのが一番近いです。タラコはスケトウダラの卵ですがクロダイの卵も非常に美味でサイズも手ごろ。

魚の卵を食べる時は、火を通して食べるのがセオリーです。また、卵巣に寄生虫がいる場合もあるので注意しましょう。

クロダイ(チヌ)は「釣り」が人気!

やっぱりクロダイと言ったら「釣り」で人気があるのです。夏場の釣りの対象魚として知名度の高い魚。その人気の理由は、

  • 首都圏の内湾にも多く、堤防などから狙えて手近。
  • 雑食、悪食、何でも食う性質から様々な漁法がある。
  • 引きも良い

・・など。

要するに初心者でも入り易いうえ、引きも面白いので、ちゃんと奥の深い対象魚であるというバランスの良さ。人気になるべくしてなったと言えるでしょう。

クロダイの釣り人気を表す言葉が「チニング」。

クロダイが地方によって「チヌ」と呼ばれることから生まれた釣り用語で、ルアーでクロダイを狙うことをチニングというわけです。

ちなみに、雑食性だというのは、歯の構造を見てもうかがい知ることができます。

クロダイの歯

歯が口の奥まで二重、三重に連なっていて、これは甲殻類を食べることのあるタイ科の特徴です。

この歯の形状は、甲殻類以外にも小魚をはじめとした様々なものを食べる食性に繋がっているようですね。「悪食」といわれるほど、なんでも食べるらしいですよ。

魚が食べたものによって、魚自体から著しく臭みが出ることがあります。

クロダイは上記で書いた通り悪食の魚ですので、特に、都市部の堤防のような場所や、河川の流れ込みなどでは、様々なものを口にしている個体が多いと予想され、手軽に釣ることができる反面、食べてみると臭みが強い場合もあるようです。

さらに、クロダイは淡水域でも生きることができます。

河川の汽水域にも侵入するというのは、スズキと似たような特徴で、クロダイとスズキは生息域や近く、釣りにおいてもよく比較される2種のようです。

そんなこともあって、クロダイのことを「川鯛」と呼ぶ地方もあるんだとか。真水でも生きられるという強い生命力を持つ魚です。

釣る場所にもよると思いますが、釣ったクロダイは火を通して食べるのが無難。徐々に、臭みが出る魚のクセを学んでいき、料理のバリエーションを増やしていくと良いでしょう。

上でも書いたように、この生命力の高さがアダとなり、釣る場所によっては臭い個体と出くわすことがあることは覚えておきましょう。

クロダイは出世魚

クロダイは成長するに連れて呼び名の変わる「出世魚」なんですが、幼魚の時の呼び名が、関東では「チンチン」、関西では「ババタレ」というそうです。

クロダイの体格は、最大で70㎝近くになる個体も存在します。

寿命は長く、一説には13〜19歳などと言われています。しかし成長は遅いようで、9年ほどかけて40㎝くらいまで成長するそう。

ちなみに、釣り人からは50センチを超える個体を「年無し」、60㎝オーバーは「ロクマル」と呼ばれます。

クロダイ料理を余すことなく食べ尽くそう!

見た目はあまり特徴的ではないけれど、よく調べて見ると意外な発見があるので、魚って本当に面白いですよね!

そしてクロダイ料理。普通に塩焼きでも美味しい食べれますが、あえてクロダイ茶漬けや炊き込みご飯にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

「チンチン」に「ババタレ」はひどくないすか?

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