サゴシ（サワラの若魚）は青魚？

サゴシはサワラの若魚の名前。サワラは出世魚なので、若い時の呼び名が「サゴシ」となるわけです。

そのサゴシ（サワラ）は赤身魚、白身魚、青魚のうち、どの分類に入るかご存知でしょうか？

サゴシを漢字で書くと「青箭魚」となり、字面をよく見ると「青○魚」。・・・ということは、やっぱり「青魚」なの？？

いやいや、一方でサゴシの味わいは「白身魚である」と言われます。いったい白身、赤身、青魚のどれが正解なのでしょうか？？

サゴシは青魚なのか、それとも赤身魚なのか。

答えは、「赤身の青魚」が正解です。

「え、どういうこと！？」となりそうですが、これは少しイジワルな引っ掛け問題で、魚の種類を分けたとき、赤か白か青のうち一択というわけではありません。

詳しく解説していきます。

サゴシ（サワラ）は赤身魚であり青魚でもある。そして白身魚とは違う。

赤身魚である理由は、サゴシの身に含まれる成分を科学的に調べると、赤身として判別されるからです。

サゴシを食べると「白身魚みたいだ」と感じる人は多く、このことはつまり、サゴシの身に含まれる成分は赤身魚に分類されるけど、白身魚にも近い中間的な魚であるということを表しています。

一方、俗人的な判断基準で分別されるのが「青魚」であるかどうか。

青魚は、シンプルに言えば「背中が青い魚」のことですが、基準が曖昧で矛盾が生じることがあります。例えば、カツオやマグロは背中が青い赤身魚で、海面を泳ぐ姿も見られる魚種ですが、青魚とは違います。

「青魚」とは、昔の人が決めた分類方法であり、主に漁業関係者や料理人、寿司職人が使います。

カツオやマグロが青魚と違う反面、サゴシ（サワラ）は古来より「青魚」として分類されてきました。

この違いは如何ともしがたく、科学的な説明はできません。ただ、「昔の人がそう決めたから」としか言えないのです。

ちなみに「青魚」の別の言い方で「青物」と言う場合があり、青魚も青物も同義と考えて問題ありません。

「青魚アレルギー」は、赤身魚に含まれる「ヒスチジン」を由来とするアレルギー症のこと。

サゴシ（サワラ）は青魚なので、当然、青魚アレルギーに注意が必要な魚種です。

ちなみに、青魚と呼ばれる魚の中には、実は赤身だけじゃなく白身魚も含まれます。そう考えると、「青魚アレルギー」より「赤身魚アレルギー」と呼んだほうが実態に即している気がします。

ところで、サゴシ（サワラ）は体の成分的に見れば限りなく白身魚に近い赤身の青魚となるので、この記事を最後までお読みいただき、混乱がより深まってしまったら申し訳ないところです。