マダイ(真鯛)を三枚におろしてみると、身にぽっかりと空いた不自然な空洞に出くわすことがあります。
これは何だろうと思って色々調べましたが、結局原因は分からず・・。
最初は「ジェリーミート現象(ゼリーミート現象とも)」かな?と思いましたが、確信は持てなくてモヤモヤ。
ジェリーミート現象とは、要するに魚肉が液状化してドロドロになることで、多くの魚で起こり得るそうです(中でも青魚が多いらしい)。
ジェリーミート現象の可能性を踏まえた上で、結論を書くと、マダイの切り身に存在する謎の空洞の正体を解明することはできませんでした。
とは言え、筆者なりに色々と推測してみたので、謎の現象の詳細情報を記録しておくことにしました。
ジェリーミート?マダイの”空洞”の不思議
ジェリーミート(またはゼリーミート)現象とは、その名の通り「ゼリー状に変化した肉現象」です。
今回マダイにできた不自然な空洞は、ゼリー状に変容してしまった部分が、自然治癒で治った結果なのかな?とも推察しました。
ジェリーミート現象とは?
そもそも「ジェリーミート現象(ゼリーミート現象とも言う)」とは何でしょうか?
ジェリーミート(ゼリーミート)とは、漁獲後の魚の筋肉が、腐敗とは無関係に進行的に軟化し、ついには、流動状になるまで崩壊・液化する現象のこと。
ジェリーミート現象が発生する原因は、寄生虫、栄養失調など様々な要因が考えられ、中でも寄生虫由来であることが多いようです。
生きている時から宿っていたある種の寄生虫が、魚の死後にタンパク質を分解する活動をすることで身が液状化。魚の死後でも寄生虫が生きて体内に残っている状況で発生する。
以上が寄生虫由来の原因。
栄養失調については、「産卵行動後の筋肉の生理的異常が原因」とされる研究結果もあり、要するに栄養失調かな?と解釈しましたが違うかもしれません。
ちなみにジェリーミート化した魚肉を食べることは人体へ影響はないとされます。
個人的には、あえて崩れた魚肉を食べたくはないし、食べる場合も加熱処理はすべきと思います。見た目が悪そうなので、「つくね」とかにすればマシかもしれません。
ジェリーミート化する原因は他にもあり、冷凍と解凍を繰り返したり、味噌や麹など発酵性の調味料に長く漬け込んだりすることで発生する場合もあるそうです。
要するに、細胞が破壊されることによって身が崩れるわけですね。
マダイの身にある空洞を観察
ジェリーミート現象のあらましを知った上で、当該現象が疑われるマダイの切り身を観察。
空洞化した身に“棒”を挿してみます。


空洞の深みが立体的に見えますね。
棒の先端が空洞の中に入ってしまってます。
(いやまじでこの空洞なに?)
よく観察すると、空洞は薄い膜で覆われていて完全に体の一部として馴染んでいるように見えます。
空洞がある場所
マダイの体のどこに空洞があるのかというと、下の画像に記した範囲になります。

空洞がある場所はだいたい印のある範囲で、捌いて切り身にしないと分からないです。
でも、大きな空洞のある個体は、外から皮膚を押すと僅かに不自然なヘコみがあるので当たりはつきます。
空洞が1つではなく複数存在するケースもあります。
マダイに代表される「タイ科」の魚だけに見られる現象かというとそうではなく、コロダイなどのタイ科ではない魚で確認したこともあります。
いったいこの空洞(穴)は何なのか?
調べていくうちに浮上したのが「ジェリーミート現象」説だったわけです。
寄生虫由来のジェリーミートとは違うと結論
調べていく中で、マダイの空洞は「寄生虫由来のジェリーミート現象とは違う」と筆者の中では結論づけました。
死後に空洞ができたのではなく、生きている時から身の中に空洞があったと考えています。
なぜかというと、空洞が”膜”で覆われていたから。これは体の一部として馴染んでいたからではないでしょうか。
例えば、人間も小さな切り傷を負うと「かさぶた」ができますよね。
やや強引な論理かもしれませんが、空洞を覆う”膜”はそれと似たような感じなのかと・・。
ジェリーミートができるのは死後の魚が多いので、存命の時からあったっぽい空洞はジェリーミートとは違うと考えたのです。
実際に遭遇した、マダイの切り身にある不自然な空洞の画像をもう一度見てみます。

お分りいただけますかね・・。

ちょっと白っぽくなっているところが、問題の空洞を膜が覆っている様子です。
栄養失調のためにジェリーミート化した?
ジェリーミート説で一つ考えられるのは、「栄養失調」。
出産で生理的異常となり、ジェリーミートの原因となることは既に書いた通りです。
人間なら顔色が悪い、痩せ細るなど見た目でわかりやすいですが、マダイなどの魚は体の中が空洞化してしまうのかもしれません。
あくまで筆者の想像です。
そもそも、謎の空洞がジェリーミートの跡なのか不明です。
例えば、老衰による「シワ」のようなものだったりするのかもしれません。
今回、不自然に身に穴の空いたマダイに遭遇したので気になり調べてみました。
原因は残念ながら分かりませんでしたが、味は美味しかったです。笑
マダイは料理によく使われる魚ですので、タイノエや、鳴門骨の話など色々と面白い話があります。
また何か発見したら、当ブログで紹介したいと思います。
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