アカチビキ(ハマダイ、オナガダイ)の魚名の由来と食べ方

ハマダイ(オナガダイ、アカチビキ) お魚一覧

アカチビキは、「ハマダイ(浜鯛)」や「オナガダイ(尾長鯛)」とも呼ばれる海のお魚。

優美な姿のみならず、味も非常に良い高級白身魚です。見た目がゴージャスで味も良い。スポーツ万能のイケメンと言ったところでしょうか。

アカチビキ(ハマダイ)は暖かい海に分布する魚で、沖縄では3大高級魚のひとつとして数えられます。

 (補足)沖縄の三大高級魚

  • マクブー
  • アカジンミーバイ
  • アカマチ(アカチビキのこと)

今回はアカチビキの名前の由来、食べ方を紹介します。

アカチビキ(オナガダイ、ハマダイ)の名前の由来、食べ方は?

お魚界の才色兼備「アカチビキ」は深海魚です。暖かい海域の大陸棚、水深200m〜500mほどに分布します。

大きな目や鮮やかな体色は、深海魚としての特徴と言えるでしょう。なお、1メートルを超える大きさまで成長する大型魚でもあります。

アカチビキの標準和名は「ハマダイ」、スズキ目スズキ亜目フエダイ科に属します。

アカチビキという魚名の由来

アカチビキの名前に含まれる「チビキ」の由来は、「血引き」、つまり「身が血のように赤い」ことから。アカチビキの身は赤くありませんが、おそらくはヒメダイの別名「ホンチビキ」に対しての名前なのだろうと思います。

「チビキ」は、いくつかの魚の名称群として用いられます(ホンチビキハチビキ、ロウソクチビキなど)。

「チビキ」の名の付く魚は、アカチビキが属す「フエダイ科」の他にも「ハチビキ科」に属す魚も存在します(ハチビキやロウソクチビキなど)。

つまり「チビキ」は“科”をまたいだ名称群であるということです。アカチビキは「フエダイ科」に属すので、学術的に言えばハチビキ科の魚とは遠縁なのですね。

一方、「ハチビキ」とは「半端なチビキ」のことで、本チビキ(ヒメダイのこと)に対する「偽物のチビキ」といったニュアンスがあるそう。でも、身が真っ赤なのは逆にハチビキで、ホンチビキは赤くない。もう何がなんだか分かりません。

「チビキ」と言う名称群は厄介。同じ「チビキ」でも“科”が違ったり、ホンチビキの身が赤くなかったりします。

アカチビキの別名

アカチビキに限らず、魚の名前は地方によって複数あります。アカチビキにも少なくない名前が存在するので一部を紹介します。

ハマダイ(浜鯛)

名前に「鯛」と付いているけど、「マダイ(真鯛)」の仲間という意味ではありません。

にも関わらず「○○タイ」と呼ばれるのは、魚の世界では良くあることで、このアカチビキ(ハマダイ)も同様です。

ちなみに「ハマダイ」という名前は「標準和名」なので、全国的に割とポピュラーな呼び方。(場所によっては標準和名で通じない場合もあります)

オナガダイ(尾長鯛)

関東で一般的な呼び名と言えば「オナガダイ(尾長鯛)」です。または単に「オナガ(尾長)」。

長い尾ビレが名前の由来となっていることは、説明するまでもなさそうです。

関東住み筆者も、「アカチビキ」と呼ぶより「オナガダイ」の方が馴染みがあります。

この尾びれの長いことは、成長とともに顕著になり、大型になると上葉(尾びれの上の部分)が細く糸状になるほどに。

アカチビキ(赤血引)

全国的にあまり馴染みがないであろう「アカチビキ」という名前、主に和歌山あたりの呼び方。

アカマチ

沖縄での呼び名です。

記事の最初でも書きましたが、マクブー、アカジンミーバイと並んで、「沖縄三大高級魚」とされています。

その他のアカチビキに対する呼び名

他にも高知などで使われる「ヘージ」という呼び名もあるそうです。

なお、標準和名である「ハマダイ」の由来についてはよく分かっていないようですね。真っ赤な見た目とは関係なさそうな名前に思えますが・・・。

アカチビキの味と食べ方

アカチビキの生態や味、食べ方も簡単に紹介しておきます。

深海魚で、暖かい海に暮らす魚であることは既に書きました。

伊豆諸島や沖縄など、比較的暖かい海域で獲られる魚ですが、茨城でも見られます。

食性は肉食で、小魚や甲殻類、頭足類などを捕食しますが、未熟な若い個体だと、甲殻類を噛み砕くのはまだ無理かも。この口と牙では。

真っ赤な背中から伸びる、淡い朱色の背びれがとても綺麗で見入ってしまいます。高級魚の風格とでも言いましょうかね。見た目とその価値がつり合った魚と言えるのではないでしょうか。

この魚は割と大きく成長します。最大で1メートルを越す個体もいるのですね。所属するフエダイ科の中でも最も大きな魚となります。

高級魚としては、より大型のものに高値が付くという魚です。

筆者はアカチビキを刺身で食べてみました。

新鮮ならばやはり刺身が一番のオススメ。皮はしっかりとして固いので、生で食べるなら除去した方が良いかもしれません。

しかし皮と身の間が非常に旨味があり、皮霜作りなどで食べると良さそうですよ。

味にクセはなく、真鯛だと言われて疑いなく食べてしまいそう。上品な甘味もあり、白身独特な味わいは刺身で食べるのがやはりベストだと感じます。

若魚であれば食感、味ともにより繊細ですが、大型になるほど値も上がる魚で、味も大型魚の方が良いとされています。他の多くの魚にも言えることですが、若魚の状態だと身は繊細で崩れやすいです。

身は焼いても硬く締まらないので、単純に塩焼きでも美味しいでしょうし、アラから上品な出汁が出るので、煮物にも最適ですよ。

アカチビキ(ハマダイ、オナガダイ)はぜひ刺身で!

刺身に切っても美しく、もちろん味も完璧なアカチビキ。

マダイ(真鯛)も高級魚ですが、このアカチビキも見た目も味も良いという意味では、全く劣っていませんね。

高級魚(味の良い魚)は、見た目と味にギャップがあることが魚類では「あるある」です。ヒラメ、アンコウはとても美味しいですが見た目はあまり良いとは言えませんよね。

アカチビキはどちらも超優秀。しかも、大型化するほど両方ともレベルアップしていく魚なのです。素晴らしい王道の高級魚をぜひ覚えてください。

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