手の平から溢れんばかりのパツンパツンの果肉。光沢のある紫。そして縦に白く入った不規則なシマウマ柄は、この野菜の名前の由来ともなっています。
ゼブラ茄子(ナス)。
飾っておきたいくらいデザイン性の高い(?)イタリア野菜の一つです。
ぎっしり身が詰まってずっしりと重みがあり、日本の品種で言えば米ナスに一番近いのかな。
料理の方向性も似たような手法になってくるでしょう。
今回はゼブラ茄子のおすすめレシピを考えてみました。
ゼブラ茄子を生かしたレシピを紹介
ゼブラ茄子の特徴といえば何と言っても皮の模様。
見栄えが良いシマウマ柄を料理でも生かしたいところですよね。
しかし!
ゼブラ茄子は、米ナスに似て非常に皮の固い野菜。
皮を料理に生かしたいのなら、高温の油で揚げるしかありません。それでも、油で揚げても皮の食感が口に残るというケースもあります。
もったいないですが、皮を剥いて使う方が無難ではあります。

ゼブラ茄子を油で揚げる時のポイント
ゼブラ茄子に限らず、ナスを油で揚げる際に必ず守るべき3つのポイントがあります。
- ナスをカットしたらすぐに油で揚げるか、すぐ水に浸す。
- 油は高温、一度に揚げるナスは少なめに。投入後しばらくはかき混ぜる。
- ゼブラ茄子は皮を剥き、カット後、塩水につけてアクを抜いてから。
ナスは、切ってすぐに水に浸すなどしないと切り口がすぐに変色します。包丁で切った後は、すぐに油で揚げるか、すぐに水に浸すようにしてください。
大きくて皮の厚いナスは、油で揚げても皮の食感が固いままであることが多いです。皮は剥く方が無難でしょう。
それにゼブラ茄子のような品種のナスは、アク抜きの目的でも水に浸す工程が必要です。
ナスは水に入れると浮いてしまうので、上から重しをするなどしてナスの全身が完全に水に沈むようにしてください。
油で揚げる時、中途半端な油の温度だとナスの皮の色がくすんでしまいます。
揚げ油の温度は高温(170℃)にしましょう。ただし、逆に高温すぎるとナスの表面だけが焦げ、中身に火が通っていない状態になってしまいます。油の温度の上げ過ぎには注意しましょう。
さらに、ナスには水分がたくさん含まれているので、油の温度が低かったり一度にたくさんの茄子を揚げようとすると、油の温度が一気に下がってしまい、失敗の元になります。
揚げるナスは、お互いの間隔が空くくらいの余裕を持ってナベに入れるようにしてください。
そして、ナスを揚げ油に投入すると身が浮き上がってきますが、均等に火が入らないとやはり皮が悪くなってしまいます。
ナスを揚げ油に入れてからしばらくは、かき混ぜるなどして満遍なく火を通すことがポイントとなります。
ナスの素揚げに失敗すると、ナスの水分が抜けきらずにビチャビチャになって形が崩れ、見た目、食感、味が別物になってしまうでしょう。
ゼブラ茄子も、上記のポイントが当てはまりますので、鉄則を守ってナスの素揚げを成功させてください。
その上で、ゼブラ茄子に最適な2つのレシピを紹介します。
ゼブラ茄子のレシピ(1):カポナータ
イタリアの食材ということなので、現地の料理に挑戦するのが良いかもしれません。
【下準備:2人前】
- ゼブラ茄子2本、皮を剥いて塩水に浸けアク抜きする。
- にんにく1片、鷹の爪1本(種を除く)。
- 玉ねぎ半個、キュウリ2本を1センチよりちょっと大きめの角切りに。
- ケイパー、松の実、ドライフルーツ(レーズンなど)を各少量。
- ダイスカットのトマト缶1つ(400gくらい)
【カポナータの作り方】
- 鍋にオリーブオイル、にんにく1片と鷹の爪を弱火で炒める。
- にんにくが色づいてきたら、玉ねぎを入れてさらに炒める。
- 玉ねぎがしんなりしたらケイパー(粗く刻む)と松の実、トマト缶を投入。
- レーズンを入れたら火を止める。
- 揚げ油を高音に熱し、水分を切ったゼブラ茄子を揚げていく。
- ナスがあがったら塩を振り、続いてキュウリも素揚げする(揚がったら塩を振る)。
- ナス、キュウリの油を切り、4に入れる。
- 中火でトマトソースの水分を飛ばしながら10分ほど煮て完成。
- 常温で冷まし、冷蔵庫で1日置いて食べる。
ポイントは、「5」でゼブラ茄子を素揚げする時、アク抜き用の塩水から出すときに、手でギューっと絞って水分を切ります。あまり強く握ると身が割れてしまうので注意。
ゼブラ茄子のレシピ(2):ナスの揚げ浸し
2つ目も油で揚げるレシピです。皮付きのまま揚げます。素揚げした熱々ナスを出汁に浸けて味を染み込ませる料理です。
【下準備:小鉢2人前】
ゼブラ茄子1個を皮付きのまま、縦に4つ、くし形にカットします。皮目に細かく斜めの切れ込みを入れます。そのまま塩水に浸けてアクを抜きます。
【ナス揚げ浸しの作り方】
- 八方だし大さじ1、醤油大1、砂糖小1を合わせて平らなバットなどに入れておく。
- 揚げ油を熱し、ゼブラ茄子の水をよく切って素揚げしていく。
- 色よく揚がったら油を切りつつ塩を振っておく。
- 熱々の状態のゼブラ茄子を1で作った出汁に浸け、ぴったりとラップをかぶせる。
- 常温で冷めたら冷蔵庫で冷やし、1日置いて食べる。
食べるときに、小口に切ったネギやゴマ、擦ったショウガなどを添えても良いです。
「茹でる」と言う選択肢もある
大きめの鍋で濃いめの塩水を沸かし、ナスを完全に熱湯に沈ませる方法で茹でれば、油で素揚げした時よりもしっとりとした出来上がりですが、色よく火を通すことができます。
ナスに火が通って熱湯から引き揚げたら、網付きのバットなどに広げることで、思いのほか湯気と一緒に水分は蒸発してビチャビチャにはなることはありません。
ただし、油で揚げたほうが、よりカラッと風味よく仕上がります。
ゼブラ茄子はやっぱり「素揚げ」が良い
茄子を調理する方法は、揚げたり茹でたりする他にも、蒸す。直火で焼く。など様々。
切ってそのままフライパンで炒めたりしても良いでしょう。
しかし、ゼブラ茄子は大きく果肉がギッシリ詰まっているので、なかなか火が入りづらく、高温で一気に処理しないと色が変わってしまいます。
そのため油で揚げる方法が一番良いと思いますよ。
設備によっては高温で蒸し焼きにしたりすることはできますが、一般家庭ではなかなか難しいので、やはり素揚げが一番かなと。
ぜひお試しください。