魚の「ことわざ」や「慣用句」の一覧

魚介の雑学
ア行カ行タ行ナ行
ハ行マ行ヤ行ラ行

大魚は小池に棲まず

読みたいぎょはしょうちにすまず
意味大物はつまらない仕事や地位には満足しないというたとえ。大きな魚は小さな池には棲んでいないという意味から。

大魚を逸する

読みたいぎょをいっする
意味大きな仕事、手柄などをあと少しのところで逃すこと。大きな魚を取り逃すことから。

「大魚を逸す」とも言う。

鯛なくば狗母魚

読みたいなくばえそ
意味最善のものがない時には、それより劣っていても代わりのもので間に合わせなければならないということ。「狗母魚(えそ)」はかまぼこの材料となる魚。

鯛の尾より鰯の頭

読みたいのおよりいわしのあたま
意味大きい団体で人に従うよりは、小さな団体でトップに立つほうが良いという意味。鯛は高級魚、イワシは大衆魚で、高級魚の尾より大衆魚の頭を選ぶべきということ。

鯛も一人はうまからず

読みたいもひとりはうまからず
意味鯛のようなご馳走でも、一人ぼっちで食べたのでは美味しく感じないという意味。食事は誰かと一緒に食べた方が美味しいということ。

鯛も鮃も食うたものが知る

読みたいもひらめもくうたものがしる
意味タイでもヒラメでも、その味を分かるのは実際に食べたことがある者だけ。「百聞は一見に如かず」と似た意味。タイとヒラメは高級魚で良い食材。

鯛やヒラメの舞い踊り

読みたいやひらめのまいおどり
意味日本のお伽話「浦島伝説」の歌「浦島太郎」に登場する一節。ことわざではないが、物語に関係なく使われることがある。ことわざ的に使うならば、豪華にもてなされる際の比喩表現や、魚釣りで豊漁のときに使われたりする。浦島太郎の歌では比喩ではなくそのままの意味だと思う。

お伽話「浦島伝説(浦島太郎)」は、日本書記や万葉集にも記述が残る「浦島子伝説」が原話とされ、その後、古い物語が少しずつアレンジされて現在のストーリーとなったらしい。

高い船借りて安い小魚釣る

読みたかいふねかりてやすいこざかなつる
意味好きな事のためには、損得など考えないということのたとえ。道楽。「安い小魚」の言い方から、揶揄しているようなニュアンスを感じる。

蛸は身を食う

読みたこはみをくう
意味タコは空腹になると自分の足を食べると言われるように、貯金や資産を食い潰しながら生きながらえることを言う。

田作りも魚のうち

読みたづくりもうおのうち
意味弱小で無力な者でも仲間には違いがないというたとえ。「田作り」はごまめの別名で鰯(イワシ)の幼魚。昔は稲田の肥料に小さな魚を使っていたので「田作り」と呼ばれる。

鱈腹

読みたらふく
意味語源は魚のタラではなく、「足りる」や「足る」の動詞「足らふ」に副詞語尾の「く」がついたもの。十分になるという意味で、「鱈腹」は当て字。鱈の腹がふくれていることや、鱈が大変な大食いであることは後付けとされる。

池魚の殃

読みちぎょのわざわい
意味思いがけない事に巻き込まれて災難にあうことのたとえ。昔、中国で城門が火事になり池の水を使って消化したため、水がなくなり池の魚が死んでしまったという故事から。

池魚籠鳥

読みちぎょろうちょう
意味池の魚や籠の鳥が不自由であるように、宮仕えの役人などもまた自由はない。不自由な身の上のこと。

長鯨の百川を吸えるが如し

読みちょうげいのひゃくせんをすえるがごとし
意味大きな鯨が川の水を沢山飲むように、酒をガブ飲みすることのたとえ。

沈魚落雁、閉月羞花

読みちんぎょらくがんへいげつしゅうか
意味あまりの美しさに、魚は沈み隠れ、雁は列を乱して落ち、月は雲間に逃げてしまい、花さえも恥じらってしぼんでしまう。

月夜の蟹

読みつきよのかに
意味中身がないことのたとえ。カニは月の光を恐れて月夜に餌をあさらず痩せこけているという話から。

釣った魚に餌はやらぬ

読みつったさかなにえさはやらぬ
意味魚を釣るのに餌は欠かせないが、釣り上げて手中に収めてしまえば餌をやる必要はない。

恋愛の場面で使われることが多く、意中の相手に気に入ってもらえるよう様々な努力をするが、望むような間柄になってしまえばそれまでのように努力することはしない。

釣り落とした魚は大きい

読みつりおとしたさかなはおおきい
意味手に入れかけたのに逃してしまったものは、実際よりも素晴らしいものだったように思われること。

出鱈目

読みでたらめ
意味思いつくままにいい加減なことを言ったり行ったりすること。語源ははっきりせず、江戸時代末期より使われだしたとされる。当時の賭博ごとの隠語であったとの説あり。

「出鱈目」は当て字で、魚のタラに関係した言葉ではない。

轍鮒の急

読みてっぷのきゅう
意味轍(わだち)の中でもがいているフナのように、危機が差し迫っていること。

鯨波の声

読みときのこえ
意味「鬨の声」の別の書き方。戦場の敵に対して戦闘の開始を告げるため、あるいは戦勝の喜びを表すために発する叫び声。大勢の人が一斉にあげる声。

泥鰌の地団駄

読みどじょうのじだんだ
意味足ビレの短いドジョウが地団駄を踏んでも様にならないことから、弱い者がそれを自覚せずに強い者に立ち向かうことをいう。

魚の真似する目高

読みととのまねするめだか
意味力量のない者が力量のある者の真似をするさま。

土用のタコは親にも食わすな

読みどようのたこはおやにもくわすな
意味夏の土用の時期のタコはたいへん美味しいので、親にさえ食べさせず独り占めにしたいほど惜しいということ。

「土用」とは、春夏秋冬それぞれにある暦のこと。季節の変わり目で体調を崩しやすい時期。

泥に酔った鮒

読みどろによったふな
意味泥の中でのたうちまわっているフナのことで、今にも死にそうなこと、あえいでいることのたとえ。

呑舟の魚

読みどんしゅうのうお
意味舟を呑むほどの大きな魚の意。転じて、大人物や、飛び抜けた才能を持つ者のことを言う。

呑舟の魚は枝流に游がず

読みどんしゅうのうおはしりゅうにおよがず
意味舟を呑むほどの大きな魚は小さな川に住まない。大人物は小者や小事を気にしないことのたとえ。

呑舟の魚蕩して水を失えば則ち螻蟻に制せらる

読みどんしゅうのうおとうしてみずをうしなえばすなわちろうぎにせいせらる
意味舟を飲むほどの大きな魚でも、水を失えばアリのように小さな者に抑えられてしまう。賢者でも地位を失えば小者に弾かれてしまうことのたとえ。

夏のサザエは口ばかり

読みなつのさざえはくちばかり
意味旬を過ぎたサザエは、大きな貝殻の口の割に身は痩せ細っている。このことから「口先だけの人」のことを指す。

ナマコに藁

読みなまこにわら
意味ナマコをワラで縛ると、縮んだり切れてしまったりすると言われることから、人が急に閉口したり弱ったりすることのたとえ。

逃がした魚は大きい

読みにがしたさかなはおおきい
意味手に入れ損なったものは悔しさが加わって、特に優れたもののように感じられるというたとえ。別の言い回しで、「逃した魚は大きい」、「逃げた魚は大きい」、「釣り落とした魚は大きい」。

にべもない

読みにべもない
意味愛想がない、冷たい、そっけない様子を表す言葉。漢字で書くと「鰾膠(にべ)」。

昔、ニベの浮き袋は「膠(にかわ)」という接着剤の原料となっていた。このことから、人と人との関係や繋がりを接着剤になぞらえ、そっけない様子のことを言うようになった。逆に“にべもある”とは言わない。

塗り箸でナマコを挟む

読みぬりばしでなまこをはさむ
意味ナマコはヌメリが強く、塗り箸などではなかなか掴めない。無意味な骨折り、徒労のたとえ。

猫が肥えれば鰹節が痩せる

読みねこがこえればかつおぶしがやせる
意味かつおぶしを食べて猫が太れば、食べられたかつおぶしは細くなっていく。一方が得をすればもう一方は損をするというたとえ。

猫に鰹節

読みねこにかつおぶし
意味猫の近くに鰹節を置いてしまったら盗まれる可能性が高い。このことから、過ちが起きやすい状況や油断できない状況を指した言葉。

猫の魚辞退

読みねこのうおじたい
意味内心は欲しくてたまらないのに、うわべだけ遠慮することのたとえ。また、その場だけのことで長続きしないことのたとえ。猫が大好きな魚を辞退するとの意から。別の言い回しで「猫の精進」、「猫の魚を食わぬ振り」とも。
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