ジャンボニンニクが苦いのはなぜ?美味しい食べ方を考えてみた

料理レシピ

ジャンボニンニクをご存知でしょうか?

ニンニクの名を冠しながら“にんにく”ではなく、リーキ(ポロネギ、ポワロー)の仲間であるという、何ともややこしい野菜。

見た目と味は“にんにく”に似ており、「ジャンボ」と言いながら大、中、小、様々なサイズで販売されます。(ただし「小」でも大きめ)

“にんにく”とは確かに似た味ではあるものの、よりマイルド、かつ刺激は少ないとされるのがジャンボニンニク。・・・でも実際に食べてみると独特の苦味、刺激を感じ、“まずい”と感じてしまう人はいるかもしれません。

そこで、ジャンボニンニクの刺激を和らげる食べ方を紹介していきます。

ジャンボニンニクが苦くて“まずい”?食べ方を考える

ジャンボニンニクはリーキの仲間。リーキは「西洋ネギ」とも呼ばれます。つまりジャンボニンニクは「ネギ」の一種で、“にんにく”より“ネギ”に近い野菜と言えます。

ネギは「辛味」をもつ食材だから薬味にも使われますよね。ジャンボニンニクはネギというよりニンニクの味そっくりですが、ネギを思わせる「辛味」もあります。しかし単純にネギの辛味と同じではありません。

ジャンボニンニクはなぜ苦い?

ジャンボニンニクにはアリシンという成分が含まれていて、これが苦味や辛味の原因の一つだとされます。

アリシンは“にんにく”にも含まれます。

生の“にんにく”をかじったことがあるでしょうか?個体差はあるものの、苦味とも辛味とも言える刺激が口の中に広がり、飲み込むのに苦労するはず。ジャンボニンニクも“にんにく”と似たような刺激を感じますが、これはアリシンの作用によるものだと思われます。

ネギは火を通すと辛味が消え、甘味が増しますが、ジャンボニンニクの場合は火を通しても甘味を感じづらく、辛味も残る印象。どのように料理すれば美味しく食べれるのでしょうか?

王道は、多めの油(オリーブオイルなど)を使ってじっくり火を入れること。

アリシンは50℃以上で油に溶け出す

なぜジャンボニンニクを油で調理するのかというと、におい成分のアリシンは50℃以上でオイルに溶け出し変化する性質があるからです。

“にんにく”が油と相性が良いとされるのと同様に、ジャンボニンニクの調理も油を使うのが一番の方法だと思います。

例えば、高温で揚げるのではなく、コンフィのように低温で時間をかけて火を通すと良いと思います。これは多くのレシピサイトでも紹介されてるやり方なので間違いないでしょう。筆者もトライしたことがあります。

しかし今回はあえて別の方法を紹介。油と相性が一番良いと書いておきながら、ちゃぶ台をひっくり返します。

同じことを紹介してもつまらないので、今回は「下茹で」してから煮る方法を試してみました。詳しいレシピは後述。まずは順を追って、ジャンボニンニクの下処理から説明していきます。

ジャンボニンニクの下処理

まずジャンボニンニクの皮を剥きます。皮ごと火を通すレシピも存在しますが、いずれにしろ食べる前に皮は剥く必要があります。

剥き方は簡単で、コツは「ヘタの部分を切り取るついでに皮を引っ張って剥く」こと。形が同じ本物のニンニクと同じやり方で皮を剥きます。

ジャンボニンニクを下茹で

食べやすい大きさに切って、あるいは丸ごとの状態で、皮を剥いたジャンボニンニクを下茹でします。

ポイントは、多めの湯量で、長めに茹でること。塩は要りません。グツグツと煮るのではなく、沸くか沸かないかぐらいの温度で静かに15分ほど茹でます。

ジャンボニンニクはあまり煮崩れしない野菜ですが、それでも長く茹でると、箸で掴んだ途端に崩れるくらいには柔らかくなってしまいます。形を保ったまま仕上げたいので、箸でなくレードルを使うなど優しく取り扱う必要があるので注意してください。

ジャンボニンニクは甘めの味付けで煮る

ジャンボニンニクと油の相性は最高ですが、同じくらい相性良いのが、甘めの味付けをすること。

下茹でしたジャンボニンニクは、煮ます。

例えば、赤ワインと砂糖、塩で煮ると良いです。ヒタヒタになるくらいから始めて、赤ワインにとろみが出るくらいまで煮詰める(20分くらい)と良いです。

砂糖と塩の分量は、適当です。ニンニク1kgに対して、砂糖大さじ1.5、塩小さじ1くらいでしょうか。けっこう甘めに仕上がるので、お好みの分量に調整してください。

こちらはだいぶ煮詰まった状態。バルサミコ酢も少し加えてますが、赤ワインだけでも十分です。

甘じょっぱい味付けは、ジャンボニンニクの苦味を融和してくれます。火を通しても残りやすい苦味は“甘味”で打ち消しましょう。

上の写真を見てわかるとおり、ジャンボニンニクは赤ワインの色が付きにくいです。もっと多くの赤ワインを使い、煮詰めたものを煮汁に付けたまま数日寝かせれば良い色になるかもしれませんが、手間とコストがかかるので試してません。

食べる前に、フライパンで軽く焼き色をつけると、さらに美味しくなりますよ!その際は、赤ワインと砂糖の影響ですぐに焦げ付いてしまう点、ご注意ください。

ジャンボニンニクを“まずい”と感じて食べるのを諦めてしまうのは、今回紹介した方法を試してみてからでも遅くはないと思いますよ。

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