スーパーマーケットではあまりお目にかかれない魚、「アオダイ(青鯛)」を紹介します。
味が良く飲食業界では割と人気の魚で、漁獲量の少なさも手伝って、高級魚として取り扱われることもしばしば。
ちなみにアオダイ(青鯛)という名前は、そのまま「青い鯛」の意味ですが、マダイなどタイ科の魚とは一切無関係です。
ちょうど夏前の6月頃から旬を迎え、魚市場では大量に売り場に並んでいたりします。
高級魚として扱われると書きましたが、夏場、大量に入荷されたりすると1kgあたり800円くらいのお手頃価格で販売されることも。
安いうえ、身もそこそこ厚くて歩留まりが良く処理もしやすいことが、業界内で人気のある理由でしょう。
青い鯛「アオダイ」の値段や特徴
アオダイは、旬を迎える夏ごろになると、魚市場でたくさん売り場に並びます。
美味しくて値段も手頃であることに加えて、歩留まりも良くおまけに処理しやすい。料理人にとっては非常に扱いやすい魚と言えるでしょう。
そんなアオダイの値段や特徴について紹介します。
アオダイ(青鯛)の値段はキロ800円から
気になるアオダイの値段は、その年々で若干の変動はあるにせよ、1kgあたり800円くらいが底値だと思います。もちろん、日によっては高い値をつけていることもありますが。
魚の状態や、需給のバランスにより、魚市場での売値は上下するものです。
しかし、良い魚なのになんでこんなに安いのか?
それは謎ですが、認知度が低いというのは理由として一つあるかもしれません。
また、夏になると売り場にたくさん並ぶ光景を目にしますので、もしかしたら夏に大量に獲れる魚なのかも。
「鯛」だけどタイ科じゃない
アオダイ(青鯛)は、名前に「(鯛)タイ」とありますが、最初に書いたように「タイ科」ではありません。
「フエダイ科アオダイ属」の魚で、同じ「科」には、ハマダイ(アカチビキ)やハチジョウアカムツ、ヒメダイなどの仲間がいます。
フエダイ科の多くは、暖かい海に住む種が多く、アオダイも伊豆諸島、小笠原諸島、屋久島、琉球など、日本の中でも暖かい海で多く漁獲されます。
また、同じアオダイ属の魚「ウメイロ」は、見た目がアオダイと非常に良く似ていますが、ウメイロはアオダイより認知度も高く、より高級な魚として扱われます。
「青っぽい」けど青魚じゃない
さらに、アオダイは「青っぽい魚」だからと言って、「青魚」とも異なります。
青魚は背が青い魚で海の表層近くで暮らしていますが、アオダイは、水深100メートル以深という、深めの海域で生活していることが多いようです。
また青魚の多くは赤身ですが、アオダイは白身魚です。
高知では「ウメイロ」(ややこしいですが、先ほど書いた、「種」としての「ウメイロ」とは別の魚です)、沖縄ではシチューマチやヒチューマチなどと呼ばれます。
ちなみに「アオダイ」を漢字で書くと「青鯛」となり、その青っぽい見た目の色からの由来。
なぜ「鯛」かというと、そもそも「肖り鯛」という言葉がありますが、要するに魚の王様「マダイ」にあやかって付けられたのでしょう。
アオダイは美味で値段も安い魚
アオダイのシルエットは、イサキに似ている気がします。

やっぱりイサキに似ています。特に背ビレの特徴はそっくり。


この口。おそらくは小さい動物を食べているのでしょう。甲殻類を食べるのはちょっとキツそうです。

アオダイは刺身でも焼き魚でも美味。
上質の白身で、なおかつ適度な弾力もあり、マダイやヒラメなどとはまた違った味わいを楽しめます。
値段が手頃で、食べる部分も多く、処理もしやすい。
夏になったらアオダイは「買い」です。
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