トビウオを使った一夜干しの作り方【冷蔵庫で干物を作る】

料理レシピ

トビウオ(飛魚)は、よく干物にして食べられる魚です。

今回は「トビウオの一夜干し」に挑戦したので、作り方を記事にまとめてみました。

知らない人がいるかもしれませんが、トビウオは食材としてはけっこう定番。卵の「とびっこ」や加工品の「アゴ出汁」は全国的に有名です。

トビウオといえば海面を飛ぶだけの魚でしょ?と侮るなかれ。味の良い食用魚として市民権を得た存在なのです。

一夜干しの作り方は他の魚でもだいたい同じなので、アジやサバの一夜干しにトライしてみたい方にも参考になれば嬉しいです。

トビウオ“一夜干し”の作り方

冷蔵庫を使ったトビウオの一夜干しは、日中に捌いた身を塩水処理して、半日〜1日ほど冷蔵庫に入れておくだけで作ることができます。簡単で衛生的な一方、冷蔵庫が臭くなるというデメリットもあります。

ふつう、魚の一夜干は寒い季節(気温18℃以下くらい)に、夜の軒先や日中に日が当たらない日陰などに干して作るもの。それを外で干さず冷蔵庫の冷気で作ろうという趣旨。

トビウオは刺身や焼き魚でも良く食べられます。気になる生態や他の食べ方はトビウオの紹介記事で詳しく書いていますので覗いてみてください。

様々な食べ方で楽しめるトビウオですが、一夜干しは他の食べ方より一段上の食べ方と言えるでしょう。ひと手間をかけることで美味しくなるのです。

一夜干しは、魚の身質や大きさに関わらず幅広い魚種に適用される処理方法。

ほどよく水分が抜け、旨味も凝縮されるので軽めに火を通せば「半生」のような食感が得られます。

白身の魚や赤身の魚など、一夜干しの対象は種類を選びませんが、特にトビウオのような青魚には良く利用されます。青魚は脂肪が少ないので、一夜干しに適しているからです。

大まかに、トビウオの一夜干しの作り方手順は次の通り。

  1. ウロコを取る(頭、各部のヒレは落とさない)
  2. すずめ開きにする(頭のついた背開きの状態)
  3. はらわたや血合いを流水で洗い、ペーパー等で拭き取る
  4. 立て塩(5〜15%の塩水)に20分〜30分、漬け置く
  5. 漬け終わったら真水でさっと洗う
  6. 竹ザルに、身を上にして並べる(または洗濯物のようにヒモに吊るす)
  7. 冷蔵庫に入れて好みの乾燥具合になるまで放置(途中ひっくり返す)

完成まで時間はかかりますが、一つ一つの作業は簡単です。

各工程を詳しく解説していきます。

トビウオのウロコを取ってスズメ開き

まず、トビウオのウロコを取ります。

包丁でトビウオの身をこそぎましょう。刃で身を切ってしまわぬよう注意してください。ウロコ取りを利用しなくても簡単に除去することができます。

ウロコを取ったトビウオの身を洗って綺麗にしたら、背中に尾びれの方から包丁を入れていきます。そのまま頭も割ってください。

内臓を傷つけないように(身が汚れるので)、腹骨と中骨が繋がった部分も断ち切ってしまい、中骨を超えて腹側の皮まで切り進めます。腹の皮1枚残して身をひらけば「スズメ開き」となります。

身を洗い「立て塩」で塩水処理

半分に開いたトビウオが下の写真。

血合いと内臓を取り除いて流水で綺麗にしましょう。

次に、「立て塩」を作って塩水処理します。立て塩は塩分濃度3%〜5%の塩水のことで、お好みの塩加減にしてください。塩水処理については以下記事も参考にしてください。

今回は5%で作りました。塩気が足りなければ、食べるときに足せば良いでしょう。

身が液体から出てしまう場合はキッチンペーパーをかぶせると良いですよ

トビウオを立て塩に2時間ほど漬け終わったら、真水でさっと洗います。そのまま干すのでキッチンペーパーなどで拭き取る必要はありません。

トビウオを冷蔵庫へ(一夜干し)

直射日光の当たらない、風通しの良い日陰に干しますが、匂いと衛生面が気になったので冷蔵庫内で干すことにしました。

網付きのバットに、塩水処理後の身を並べて冷蔵庫に入れるだけ。

一晩かけて干物にするので「一夜干し」というわけです。

ただし、冷蔵庫を使う場合は庫内は魚臭くなりますのでご注意を。

また環境にもよりますが、外気にさらすよりも冷蔵庫の方が乾燥が進みやすいと思います。ただし、どんな冷蔵庫でも良いわけではなく、1人用の簡易的なコンパクト冷蔵庫では難しいかもしれません。試したことはありませんが。

冷蔵庫に入れたら、あとは好みの乾燥状態になるまで放置するだけです。

とりあえず半日、冷蔵庫内で干してみました。

身を触るとベタベタとせず(水分が飛んでいる)、しかし見た目は濡れているようなテカリが残っている。程よい乾燥具合じゃないでしょうか。

一夜干し作りの注意点と補足

一夜干しを作るには、スズメ開きではなく普通に3枚におろしても大丈夫です。

また、立て塩で塩水処理した後、真水で洗った後に水がポタポタ垂れないようペーパー等で軽く拭き取っても良いです。あるいは、乾燥する際に下に受け皿などを敷いておくと冷蔵庫内が汚れません。

冷蔵庫内での乾燥時間の目安は環境によって違いはあるものの、だいたい半日かからないくらいかと思います。

乾燥状態で判断する目安は、触った時の表面のベタベタがサラッとした感じに変わっていればOKです。

乾燥させすぎると、焼いた時にパサパサしてしまいます(ちなみに、焼き方はレアに仕上げるくらいの心持ちでいきましょう。ここ重要です)。

あとは自分が「これだ!」と思う乾燥具合を目指して試行錯誤するも良しですよ。

トビウオの一夜干しの食べ方

一夜干しをそのまま刺身で食べれるかと言うと、食べれます。

食感、味が変化するので面白いですが食中毒リスクが低くはないので、一夜干しの生食は個人的にあまりオススメしません。トビウオにも寄生虫が存在する場合がありますので。

塩水処理や軽く干物にすることは、寄生虫を駆除したり腐敗を100%回避することはできないのです。

半生っぽい食感だからと言って全生であることに変わりません。(生食にトライするときは皮目を炙ってから食べると美味ですよ)

軽めに火を通して食べるのが一般的と言えます。

トビウオの一夜干し、ぜひお試しを。

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