【真子鰈】マコガレイとは?

マコガレイ魚類

マコガレイはどんな魚?

ここからはマコガレイがどんな魚かを掘り下げていきたいと思います。

まず、普段の暮らしについて見ていきましょう。

生息域は水深100m以上の海底で、砂泥底にいます。

カレイといえば、海底の砂と同化しているような様子を思い浮かべませんか?

マコガレイをはじめとしたカレイ類は、体色を周囲の環境に合わせて変えることができる魚なんです。保護色としての機能を持っているんですね。

実は体の色が変わる魚というのは、カレイ以外でもけっこう多いんですよ。特に海底に住む魚に多いように思います。

マコガレイはゴカイなどの底生生物を食べています。似たような姿形のヒラメはフィッシュイーターで、つまり魚を食べる為に歯が鋭いけれど、マコガレイや他のカレイはそうならないので、ヒラメと見分ける一つのポイントでもあります。

マコガレイ
マコガレイ

このように歯があるにはあるみたいですが、だいぶ控えめ。

マコガレイや他のカレイ科の体長

マコガレイは最大で40cm〜50cmほどに成長します。上の写真で紹介したものは30センチ前後といったところで比較的小ぶりの個体ですね。

マコガレイと同じカレイ科に属する他の種類と比べても、だいたい平均的な体長のようです。カレイというのはそれほど巨大にはならないんですね。

ただ、同じカレイ科でもオヒョウ属は例外です。最大で2mを超えるという巨大魚も存在します。あとマツカワガレイやホシガレイも、カレイ科の中では比較的大きくなる種類です。ちなみにこの2種は超高級魚です。

また、カレイ科の魚は概して長寿で、マコガレイでも10年以上生き、オヒョウで40年という記録もあるんだそうです。

カレイ(マコガレイ)は釣りでも人気

冬場の釣りの本命ともなるくらい、釣り業界でカレイはメジャーな存在。

砂浜からの投げ釣りは手軽に始められるし良いかもしれません。

マコガレイの名前の由来とは?

マコガレイの「マコ」とは、「真子」のことで、つまりカレイの卵(魚の卵)を意味するという説があります。

一方、「カレイ」には「涸れ鱏(かれえい)」という言葉が転化したとされる説があります。

鱏はイトマキエイ等の“エイ”のこと。見た目が似ているからでしょう。つまり“涸れ鱏”というのはそのまま「涸れた鱏のようだから」ってことなのですね。

「唐鱏(からえい)」や「韓鱏(からえい)」が元という説もあるそうで、前者については良く分かりません(“唐”つまり中国が関係しているということなのでしょうか)が、後者は、朝鮮半島で良く獲れた、あるいは朝鮮半島で良く獲れたエイに似ていたから、ということみたいですね。

地方名も例によってたくさんあって、有名なのは大分県日出町沿岸で獲れるものです。これは「城下カレイ」と呼ばれて高値で取引されます。

「鰈」と「蝶」の話

魚の「かれい(鰈)」と、虫の「ちょう(蝶)」です。

似てますよね。部首の右の部分、「葉」のくさかんむりが無い時には、「薄い」というニュアンスがあるそうです。つまりそういうこと。

カレイも、蝶も、ペラペラですよね。

ちなみに、似たような漢字では他に「喋」があります。「しゃべ(る)」と読み、舌がペラペラと動く様子を想像できます。

鰈(カレイ)、蝶(チョウ)、「喋(しゃべ)る」。

何らかの共通点があるように感じられて大変興味深いですね。

カレイとヒラメの見分け方

ところで、カレイは古く「かたわれ魚」と呼ばれていたらしいです。これは「身の一方が黒く、その反対が白いこと」などの理由なんだそうですが、

マコガレイ
マコガレイ

こういうことですね(キカイダーみたい)。

マダイなどの魚と同じようにして正面から見ると、面白いことに両目とも体の右側についていることが良く分かります。

ヒラメとの違いについては、「ヒラメとカレイの見分け方」の記事も参考にしてみてください。

カレイ科に見られるこの「両目が体の右側に寄っている」という特徴は、実は成長とともにそうなっていくのです。幼生の頃はちゃんと左右に別れて目が付いています。

また、同じカレイ科でも「ヌマガレイ」という種は、ヒラメと同じく体の左側に両目が付いています。

ただ、カレイを個別に見ると、ヌマガレイとは違うカレイなのに、ヒラメのように目が左側に寄っているという変異種も存在してややこしいです。

昔はヒラメとカレイの区別をしなかったなんて話もあるくらいですので。

大衆魚の代表「カレイ」は刺身もイケる

カレイは今も昔も大衆魚です。

しかし、マツカワガレイやホシガレイなどの高級魚や、マコガレイでもブランド物である「城下カレイ」は高値で取引されています。

また、カレイの味は「泥臭い」とのイメージを持たれている人も多いかもしれません。種類によってはそう言うこともあるかもしれませんし、確かに独特の味はあります。また、活け締めか野締めか、鮮度の具合などでも味はだいぶ変わるのですが、実は刺身でも美味しい魚なのです。

マコガレイを”煮付け”で食べよう!

子供の頃に、魚のカレイを「カレーライス」と結び付けて連想してしまった人は少なくないはず。

カレイ類の魚を初めて食べた時、つい、カレーライスの味を想像して「カレイってあっさりした味だな」と思った人も、また少なからずいるのではないでしょうか。

離乳食としても使えるカレイは、良く言えば万人向けの味と言えるし、あっさりした味には濃いめの味付けの煮付けが最適です。

夏の暑さで食欲がなくなった時には、ぜひ「マコガレイの煮付け」を。

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