日本人にとって、もはや常識レベルの青魚と言える「マイワシ」。
このマイワシを使って「オイルサーディン」という料理を作ってみたら激ウマでした。
マイワシを英語に翻訳すると「Sardine」で、日本語読みなら「サーディン」となります。
そして、この「サーディン」を使った料理のがオイルサーディンでして、今回はオイルサーディンの簡単な作り方を紹介しつつ、オイルサーディンの発祥の地について調べてみたいと思います。
マイワシとイワシの違いや、「アンチョビとは?」の疑問についても解決しています。
【イワシのオイルサーディン】作り方と発祥の国
青魚であるマイワシを使ったオイルサーディンの作り方を簡単に紹介します。
新鮮な状態ならば刺身も美味しいマイワシ。しかしこれは敷居が高い食べ方と言えます。
最大の障害は、イワシが鮮度が落ちやすくナイーブな魚である事実。
マイワシをはじめとした青魚は寄生虫アニサキスのリスクがある魚で、「鮮度」は最優先で気を使うべき要素です。時間がちょっと経ってしまった時は火を通して食べた方が安全でしょう。
そこで、オイルサーディンがおすすめというわけです。
比較的、鮮度をはじめとした魚の状態にあまり神経質にならずに済むこと。また、多量のマイワシを使ってまとめて調理できる点で、オイルサーディンの難易度は刺身よりも低め。
ただし、調理時間はすごく掛かります。
イワシのオイルサーディンの作り方
- マイワシを10尾用意し、全て頭を落としハラワタも取る。
- 氷を張ったボウルの中で1のイワシを全て洗い、血合いなどを取り除く。
- 水をよく切ったイワシ全匹の総重量1.3パーセントの食塩を用意。
- 全てのイワシに満遍なく3の塩を振り、ラップして冷蔵庫で半日寝かせる。
- 口の広い鍋に4のイワシを平らに並べる。
- オリーブオイルを身が完全に浸かる程度そそぐ
- お好みでホールのままのブラックペッパーやローリエの葉を入れる。
- 鍋を極弱火で火にかけ、熱せられた油がクツクツとなった状態をキープ。
- クツクツとオイルで煮ること3〜4時間。
- 尻尾の方を、骨ごと食べてみて柔らかくなっていれば火から下ろす。
- 常温で置き、冷めたら冷蔵庫に入れ1日〜2日ほど寝かせれば完成!
【補足】
8の手順では、油の温度が低くなりすぎないよう注意します(高くてもダメ)。できれば高温まで測れる温度計で90℃から100℃の状態をキープするよう、火をつけたり止めたりしながら調整すると良いです。
また、ガスコンロではなく、オーブンがあるのでしたら温度が一定に保てるのでそっちを使いましょう。
オイルサーディンの作り方は非常に簡単です。とても時間がかかる料理のため敬遠しがちですが、慣れれば放っておいても完成するので家庭料理のレパートリーとしてもアリと思ってます。
ただ、くれぐれも火の取り扱いには注意してください。
オイルサーディンの発祥の国は分からず
オイルサーディンが誕生した地、つまりオイルサーディン発祥の場所(国)について、色々調べましたが、結論から言うと不明。
ざっくりヨーロッパ圏であることはおそらく間違いないでしょう。根拠は、「サーディン」の語源がイタリアのサルディニア島だとする説があること。そしてオリーブオイルを使うこと。
イタリア語でオイルサーディンは[sardine sott’olio]となり、[sardine]がつまりイワシ、[sott’olio]でオイル漬けという意味。[sott’olio]はオイルサーディンに限らず様々なイタリア料理で登場する言葉です。
ともあれ、はるか昔からオイルサーディンが存在していたことは明らかなようです。
筆者の想像ですが、どの国が起源や発祥ではなく、同時多発的に各地で誕生したのかもしれません。世界各地で食べられているイワシなら現実味のある話に感じます。世界中でたくさん獲れるイワシは、そもそも色んな国で料理によく使われる食材なのです。
ところで筆者は昔、イワシと同じ青魚である「ソウダカツオ」をオイルサーディンと同じ料理法でオイル煮にしてみたところ、これが超絶おいしかったという経験があるのですが・・。
秋の味覚の青魚である「サンマ」のオイル煮も同様に美味しいので、青魚と呼ばれる魚類はオイル煮に非常に適していると感じます。
生食だと鮮度や状態によって血のような味がするケースが多々ありますが、オイルサーディンにすれば逆転的に旨味に変わるようですね。魚が苦手という人にオススメの食べ方です。
青魚であるイワシは鮮度落ちが早く、ゆえに取り扱いの難易度が高め。そのことから、必然的に値段は高めで昔の大衆魚のイメージはもはや無いと言えるでしょう。
しかしそれは「生食」を前提とした話です。
オイルサーディンという料理は、魚の状態に生食ほどの神経を使う必要がないので、安価なマイワシでも使えるのです。
中でも、大量に調理することができる「オイルサーディン」は、まさにイワシに適した料理法と言えるでしょう。イワシは小さい魚ですし骨やヒレまで余すことなく食べることができます。
と言うわけで、イワシの料理法の最適解の一つは「オイルサーディン」なのですね!
そもそも青魚「マイワシ」とは?
原料となる魚“マイワシ”にもスポットを当てていきましょう。
マイワシは「青魚」と呼ばれます。
「青魚」とは、魚をひとまとめにして呼ぶ総称の一つで「あおざかな」や「あおうお」と読み、今回紹介しているマイワシの他にもサバやサンマなどが含まれる名称群です。
つまり簡潔に言えば「背中が青い魚」のことを総じてこう呼ぶということ(詳しくは「サゴシ」の記事でも説明しています)。
そして、代表的な“青魚”であるイワシ。
なぜ青色かというと、それが保護色となるためと言われています。海の表層近くを泳ぐ魚は、鳥などの外敵から身を守る(発見しにくくしている)ためにこのような色をしているとする説が有力だそうです。
青魚は赤身の魚が多いです(白身の魚もいる)。
昔の人がつくった青魚というカテゴリはけっこう矛盾点もあって、科学的ではない点もありますがおおむね泳ぎの行動パターンや食材としての栄養成分など、特徴が同じような方向性の魚たちです。
有名な青魚は、イワシの他にアジ、サンマなど。珍しいところではトビウオも青魚と言われています。
ただし、ブリやカツオ、マグロなどは一般的に「青魚」とは呼ばれません。イワシと同じ赤身の魚ですし背中も青いですが、大型であることと食材として見たときに「大衆魚」のイメージが薄く、青魚の仲間とは見なされません。
青魚を英語でなんと言う?
ちなみに青魚の英語訳は存在するのでしょうか?
Googleで調べると「Blue fish」となりますが・・・。

確かに字面だけ見れば「Blue fish」が正解に思えますけど実は正解ではありません。正しくは、
- Blue-backed fish
- Blue-skin fish
とかです。ただし、これらの言葉は一般的ではなく、なんのことだか分からない欧米人も多いかもしれません。

Google検索結果の「Blue fish」の英語圏での使われ方は、日本には居ない魚類の種を指す言葉なので、日本で使われる「青魚」という意味ではなさそうです。
“イワシ”と“マイワシ”の違い、「アンチョビ」について
本記事でもマイワシと書いたりイワシと書いたりして「ややこしい!」となりますが、どちらも間違いではありません。呼び方の違いは、「厳密な意味」と「曖昧な意味」で使い分けがされるだけのこと。
厳密にいえば、「マイワシ」は一つの魚種のことを表す言葉で標準和名と呼ばれます。一方、「イワシ」と表現した場合はマイワシだけでなく「カタクチイワシ」や「ウルメイワシ」などと言った魚のことも幅広く指します。
今回記事で紹介しているイワシは、厳密には「マイワシ」ですが、イワシと呼んでも間違いではありません。
「カタクチイワシ」は、英語圏ではanchovy(アンチョビ)と呼ばれ、sardine(マイワシの英名)と区別されています。
アンチョビバターやアンチョビソースは、厳密に言えばカタクチイワシが原材料ということになります。ただ、現在はあまり区別しない向きもある気がしています。
日本においてマイワシの語源については、「弱し」とか「いやしい(貴族の食べ物でない)」などの語源があるそう。漢字で書いても「魚」に「弱」で鰯。あまり良い印象ではありませんね。。
日本ではもちろんのこと、世界的に見てもイワシはメジャーな魚であることは既に書いた通りです。
先ほど取り上げたように、英語圏での名前はsardine(サーディン)。これは元々ラテン語で、イタリアのサルディニア島が語源だとか。
小さくて弱い魚だけど、みんなに馴染みのある魚。それがイワシってことですね。

マイワシは泳ぎながら食べる魚!
これがマイワシの口。開いたところ。


なるほど。この体にしては大きな口です。口というより“袋”みたいですね。この口でプランクトンなどを効率よく食べてるんですね。
しかも泳ぎながら食べるという忙しいヤツです。
最近はイワシの値段も年々上がっていますよね。もはや高級魚みたいな扱いになっています。
漁獲量の減少がその理由でしょう。庶民の魚という扱いはもはや遠い昔の話となってしまいました。
マイワシは新鮮なものなら刺身でも美味しいのは大前提として、オイルサーディンもバリエーションの一つにいかがでしょうか。
一度試してほしいです。めちゃくちゃ美味しいので。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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