ハタハタは秋田県をはじめとした東北地方で有名なお魚。
産地では一般常識レベルで馴染み深い魚なのだろうけど、全国的には、「聞いたことあるけど、深海魚だっけ?それとも川魚だっけ?」と、曖昧な認識の人は多いだろうと思います。そもそも初耳だという人もいるでしょう。(タイトルの「謎多き」はちょっと大げさかもしれませんが。)
ハタハタとは、どんな魚なのか?詳しく紹介していきたいと思います。名前の由来、生態、歴史、なかなか興味深い魚ですね。
【ハタハタとは?】深海魚とも川魚とも噂される東北の海幸
ハタハタとは、「スズキ目ワニギス亜目ハタハタ科」のお魚。海水魚です。
名前がちょっと不思議なので、知らない人にとっては成り立ちを想像しずらい謎めいた魚とも言えるでしょう。
「ハタハタに似た魚」としてコマイがよく引き合いに出されますが、コマイとハタハタの違いは明確。
ハタハタは深海性の魚だけど、タラ科ではなく「ハタハタ科」の路線になります。
ハタハタは“しゃくれ顔”の深海魚
ハタハタは意外なことに深海魚です。見た目はちょっと川魚っぽいですが、淡水魚(川魚)ではなく海水魚。
よく見ると深海魚の特徴が良く表れた顔をしたハタハタ。(下顎がものすごく前に出ているし、目が体の割に大きい)要するに“しゃくれ顔”。

体の大きさの割に歯も鋭いですね。オキアミや小さなイカ、魚を食しているようです。

ハタハタの胸ビレは極端に大きいですね。

胸ビレは、体のバランスを取ったり旋回したりする等の動きでよく使われる部位です。
岩場などに住む魚の特徴で、ハタハタは、海の底に適した泳力の持ち主であることが伺えます。
なお、ハタハタの生物学上の分類は「スズキ目ワニギス亜目ハタハタ科」に属していますが、DNAの解析によれば「カサゴ目」のカジカの仲間に近いということが分かっているそうです。

しゃくれた顔、大きな胸ビレ、確かにカジカに似ている部分はありますね。
ちなみに体長は、この写真のもので20センチ弱といったところ。
成魚でもだいたいそのくらいにしか成長しないようです。水深の浅い岩場で孵化し、幼少期も同じく浅場で活動しますが、成魚となると深海に移ります。
産卵した後に死なず、寿命5年と意外と長め。
ハタハタは漢字で名前を書くと「鰰」となります。
そのまま読めば「魚の神」なのか、「神の魚」なのか、とにかくただ事ではないですね。
ハタハタの名前の記事で詳しく解説していますので、興味があれば覗いてみてください。ハタハタの歴史にも触れています。

ハタハタの食べ方
ハタハタの食べ方は実に多彩。
刺身やなれ鮨(ハタハタ寿司)、干物、卵は「ブリコ」と呼ばれて珍重されます。とにかく、産地におけるハタハタはまさにソウルフードと言って良いレベル。愛されてるからこその食べ方のバリエーションの多さなのでしょう。
一方で、ハタハタは刺身や熟鮓で食される為か、食中毒などのリスクについても心配する声は多いです。詳しくはハタハタの寄生虫や食中毒の危険性についての記事で紹介しています。
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