ブダイという魚の歯がメジナと似ている不思議について

市場のお魚たち

ブダイは南方系の魚で、沖縄など温暖な地域では食用魚として比較的メジャーな存在。

意外にも、食材としての旬は冬とされていますが、南方系の魚ということで夏でも関東の市場でたまに目にする魚です。

見た目は、お世辞にも旨そうに見えないと思うのは僕だけではないはず。しかし、上質な白身で臭みが少なく、刺身でもイケるくらいのポテンシャルを持つ魚なのです。

見た目の話で言えば、ブダイの「歯」は特徴的です。

「どんな特徴か?他の魚との違いは何か?」というと、上手く説明するのが難しい為、この後紹介するメジナの口の写真を実際に見てもらいたいですが・・・。

一つ言えるのは、ブダイの「歯」の特徴は、関東で食用としても有名な「メジナ」とそっくりなのです。

顔面をじっくりと見る機会はそう多くない魚なので、今回いろいろと紹介していきたいと思います。

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食用魚「ブダイ」の歯がメジナと似ている不思議

とにかくブダイの口元を観察してみましょう。

ブダイの歯
ブダイの歯

ご覧のように、クチバシ状に白っぽい物質が口から剥き出しになっていますね。

良く見ると、クチバシというよりは小さな個別の硬い「歯」であることがわかります。これがブダイの歯。

ちなみに、メジナの歯は下の写真です。

メジナの歯
メジナの歯

細かく言えば違う部分はありますが、似ているかと言われれば確かに似ていると思いませんか。「歯」だけでなく、顔全体の輪郭も似ているように思います。

「2匹とも同じ(魚)なんだし、そういうこともあるよ」と思う人もいるでしょう。

しかし、ブダイは「スズキ目ベラ亜目ブダイ科」に属し、メジナは「スズキ目メジナ科」です。近縁種ではないので不思議だなぁと思うわけです。

ブダイとメジナの「歯」の類似、なぜ?

僕なりの考えですが、

「ブダイとメジナの食性が似ているため?」と考えました。

ブダイは夏と冬で食べるものが変わる魚だと言われています。夏は主に海底に潜む底生生物(ゴカイなどの動物)を食べ、冬になると海藻類を食べるようになります。

実はメダイも同じで、やはり夏は小さな甲殻類やゴカイなどの小動物を、冬には海藻類を食べます。

両者、雑食性という共通した特性を持ち、しかも季節によって食べるものが動物から植物へと変わる特徴を持つのです。

おそらく、食性が共通しているので近縁種ではないにも関わらず、偶然なのかは分かりませんが、体の構造が似るという結果につながったのではないでしょうか。

全く違ったエサを食べる(動物と植物を幅広く食べる)には、ブダイやメジナのような「歯」の構造が適しているってことなのかもしれません。

ブダイはメジナと違って臭みはない

さて、エサとするものが似通っているので、食材としての味もそっくりかと言えばそうではありません。

メジナは、季節や個体の違いによって、とても臭い場合があります。食べるのを躊躇するほどのニオイです。

対するブダイはそういったことは聞きませんし、僕自身、ニオイのきついブダイに遭遇したことはありません。(ちなみにメダイはあります)

食性は似ているけど、厳密には食べるものは違うということなのか、それとも食べ物に関することとは別の違いが、両者にはあるのかもしれません。

補足すると、メジナは個体によっては臭いものがいますが、基本的には美味しい魚です。もし臭い個体に当たっても焼いてしまえばほとんど気になりませんよ。

ブダイの食べ方いろいろ(刺身、焼き、煮物)

全国的にはあまり馴染みがなく、また見た目でも敬遠しがちなブダイは、冒頭でも書いたように臭みはなく、それでいながら身に旨味の感じられる上品な白身魚です。

適度な噛みごたえもあり、実は鮮度の良いブダイは刺身に最適。(ただし食性が季節によって変わるので、冬の方が美味しいとされています)

生食で旨味のある魚は焼いて食べても美味しいことがほとんどで、さらにこのブダイは、アラから良い出汁が出るため実は煮物にも最適です。沖縄料理「まーす煮」に適した魚でしょう。

お魚屋さんで見かけたら、試してみてはいかがでしょうか。

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