白身魚と赤身魚と青魚の違いとは?

魚介の雑学

「マダイは白身魚だ」とか、「イワシは赤身魚だ」とか、「いやいやイワシは青魚でしょ」とか聞きますけど、本当のところ白身魚、赤身魚、青魚の違いとは、一体どう説明すれば良いのでしょうか??

筆者も混乱気味なのでまとめてみました。

白身魚と赤身魚と青魚の違い

「白身魚は淡白な味で万人受けしやすい」とか、「赤身魚は特徴的な味で好き嫌いが分かれる」とか言われますよね。この「白身魚と赤身魚と青魚の違いって何?」にスポットを当てていきます。

まず、「白身魚」と「赤身魚」は完全に対を成す言葉。つまり、白身魚は赤身ではなく、赤身魚は白身ではありません。「一体なにを言っているの?」となりそうです。じゃあ青魚はというと赤身魚の一部、背中の青い(黒い)魚のこと。

さらに詳しく見ていきます。

白身魚と赤身魚の違い

白身と赤身の大きな違いは、味です。白身と赤身で味が違うのはなぜでしょうか?

答えは身(魚肉)に含まれる成分が違うため。身質の違いことが、シンプルな白身魚と赤身魚の違いと言えるでしょう。

さらに補足すると、「色素タンパク質が、体の100gあたり10mg以上あれば赤身魚、なければ白身魚」となるそうです。

身の成分の違いは、魚たちの生態の違いが大きく関係しています。

例えば、白身魚の多くは、ふだん海の中の岩礁域に身を潜めたり砂地に隠れていたりすることが多いです。(ヒラメマダイなど)

対して、赤身魚は泳ぎが速かったり回遊魚であったりと、年中動き回っていることが多く、また、早い速度で泳ぐ魚が多め。イワシカツオマグロ、サバなど。

  • 白身魚 → じっとしていることが多い
  • 赤身魚 → 動き回っていることが多い(泳ぐ速度は早い)

一概には言えませんが、これらの傾向の違いが、筋肉や筋の質や量、身を構成する成分の違いとなって表れているとも言えます。

白身魚と赤身魚、青魚の違い

「青魚」とは?

青魚(青物とも言う)には明確な定義がなく、人によっては青魚と捉える魚種に違いが出ることがあります。成り立ちが料理や漁業からなので、科学的な裏付けがなく境い目が曖昧なのが「青魚」という分類の仕方。

青魚は背中が青色または黒っぽい色の魚のことを指していて、身質の特徴を指す言葉ではありません。しかし同時に赤身魚であることが一般的です(人によっては太刀魚のような白身魚も青魚と認識している)。

青魚には、たいていの場合は白身魚は含みません。

記事冒頭で触れたイワシは、赤身魚であり青魚でもあります。しかしマグロは赤身魚だけど青魚とは呼びません。

ちなみに、青魚に対して赤魚という言い方もされます。こちらはあまり一般的な表現ではないかもしれませんが、マダイなどが見た目通り赤魚ということですね。

白身魚、赤身魚、青魚。これら分類は科学的な裏付けはなく文化的に使われてきた分類法。実際には、限りなく白身っぽい赤身魚(その逆も)が存在し、境目の見えづらいグラデーションのような構造になっています。

白身魚、赤身魚、青魚の一覧

白身魚、赤身魚、青魚のそれぞれの違いについて説明してきました。ここからは、分類が微妙だとされる魚をいくつか紹介していきます。

イサキは青魚?白身魚?

イサキは白身魚です。そして、青魚ではありません。赤身魚とも違います。

高級魚イサキの記事でも紹介したメジャー級のお魚で、供給量は決して多くなく、一般的に旬とされる夏場には魚市場でよく見かけますが、欲しいと思ったときに簡単に入手できる魚ではありません。

イワシは赤身と白身、どっち?

イワシは赤身魚、そして青魚でもあります。

水族館などでも群れを成して泳いでる姿を見ますね。背中が海の「青色」に溶け込むさまは典型的な「青魚」。

青魚は鮮度落ちが早いので、「オイル煮」のような食べ方は理にかなった調理法です。

サゴシは青魚?

サゴシは青魚?」の記事でも解説しています。サゴシは赤身青魚です。白身魚と言われることがありますが厳密には違います。

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