【珍魚紹介】トクビレ(別名「ハッカク(八角」)の捌き方を解説します

市場のお魚たち

ハッカク(八角)」と呼ばれる魚をご存知でしょうか。

正式には「トクビレ(特鰭)」という標準和名を持つ、いわゆる珍魚であります。

珍魚と言ってもこの魚は味が良いので、特に産地である北海道ではメジャーな食用魚として認知されているみたい。

見た目は変ですが美味しいんですよ。

関東の魚市場でも、旬の時期は売り場に並んでいるのを割と目にします。そこまで大量には入荷しない印象ですけどね。

ハッカクを食べるためには、もちろん内臓を取り除いたりする等の下処理をしなければなりません。

見た目が奇抜な魚であろうと、食べる前の処理は他の魚と大して変わらないです。

しかし、どんな魚にも独特のクセというか、注意すべき点はあります。魚を処理するときに事前にそのクセを知っておくのはムダではないでしょう。

ということで今回は、ハッカク(トクビレ)の捌き方を紹介します。

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ハッカク(トクビレ)の捌き方!※ケガに注意

さて、おかしな見た目のハッカクですが、捌く手順はマダイなどの基本的な魚と大きく違いません。

ただし、以下の点でハッカクは少しだけ特殊だと言えます。

  • 身体中、トゲだらけ
  • 体が円錐状の形をしている
  • ウロコが”皮”のように一体化している

身体中トゲだらけなので触る時はケガに注意

小さいですが、指に刺されば血が出るくらいのトゲが身体中をびっしりと覆っています。

どうやら鱗が変質して皮みたいになったらしいです。

ウマヅラハギウスバハギなど、カワハギ系の魚と似ていますね。

地味に厄介です。一番良いのは厚いゴムの手袋をはめて作業すること。

「体長30㎝にも満たない魚に対し大げさでは?」と思う人もいるかもしれませんが、魚は外敵から身を守るために様々な進化と遂げていて、鋭利なトゲ状のヒレや、トクビレのように針のように変形したウロコはバカにできません。

人間の柔らかい皮膚など、秒で流血するでしょう。

まぁそれほど痛くはありませんが、流血した手で魚を触っては、刺身などの料理が台無しになってしまいます。衛生的にも良くありませんし。

防刃のゴム手袋は魚を捌くときに非常に重宝しますよ。

あるいは以下など。元々は機械工向けのグローブで、魚を扱う系YouTube動画でもたまに見かけますね。

防刃ではありませんが、魚で怪我をする時の一番の原因である、手に持った魚がツルっと滑り落ちるのを防いでくれます。

ちなみに、魚を扱う初心者には防刃のゴム手袋の方がおすすめです。

円錐状の身に真上から包丁を入れて三枚おろし

ウロコを取らず、頭を落として内臓を除去したハッカクは、そのまま三枚おろしにします。

ハッカクは体の断面が丸く、横向きに包丁を入れるのが難しい魚。

↑このように、真正面から見ると丸い。
というか八角形。だから”ハッカク”なんですけどね。

そこで、まな板に対し”うつ伏せ(または仰向け)”になるようハッカクを寝かせたら、その真上から包丁を入れます。角度が違うだけで、三枚おろしのやり方は他の魚と同じ。

このように、まな板に対し仰向けにする
真上から垂直に包丁を入れる。

ちなみに、魚の腹を開く時、肛門から包丁を入れますよね。

八角の肛門はどこでしょうか。あるべきところに無いようだけど。

と思ったら・・・、

たぶん、これ!

驚きました。腹ビレで隠すような位置になぜか肛門という謎。ただ、魚を捌く時にはあまり気にしなくて良いポイントなのでスルーしましょう。

ウロコを”剥ぐ”ように除去する

三枚におろしたら、ウロコをとります。

シールをはがすように、端から指でつまんで引き剥がす

ある意味、簡単です。ウロコのトゲが痛いですが。

剥がした皮(ウロコ)

ウロコせんべいにしたら美味しいかも。

ただ、トゲが食べれるのでしょうか。今度試してみよう。

このあと小骨を処理すれば、刺身、焼き物、いろいろ使える魚です。

ハッカク(トクビレ)はどんな魚?

ハッカクは、日本の北のほう(特に北海道)のイメージがある魚だけど、相模湾でも獲れるらしく、しかしそれより南では太平洋側では見かけないようです。

魚って変なの多くて興味をそそられるんですけど、このハッカクはその中でもレベル高め。水族館の展示物になる率も高めです。

”トクビレ”の由来は大きなヒレから

この大きなヒレがトクビレ(特鰭)の名前の由来で、「大きな(特)、ヒレ」ってこと。

大きな背ビレと尻ビレはオスに見られる特徴で、メスはここまで大きくはなりません。

ホウボウも特徴的で大きなヒレを持っていましたが、ホウボウの場合は外敵を威嚇するような役割があると考えられています。

体を大きく見せる効果がありますからね。おそらくはトクビレも似た目的でヒレが発達したのでしょう。

また、この大きなヒレはオスだけに見られる特徴ということで、もしかしたらメスへのアピールに使われたりもするのかもしれませんね。

”ハッカク”の呼び名は体の形から

先ほど書いた通り、トクビレの地方名(関東近辺)は「ハッカク」と呼ばれます。

市場ではこちらの名前で売られていることが多い印象。由来は、胴体の断面の形が八角形だからです。

魚の断面といえば、普通は楕円形をしていますよね。

マダイでもアジでもイワシでも、白身だろうと赤身だろうとだいたいは楕円の形です。

このハッカクが珍しい魚と言われるポイントの一つです。

ちなみに、ボラトビウオなどは、真正面から見ると「逆三角形」の形をしていて、これはこれで珍しい種類です。

「受け口」じゃない魚で“ヒゲ”がある

特徴的なのは体の表面だけではありません。

ヒゲらしきものが口にあります。

なぜヒゲがあるかはよく分かりません。何らかの感覚器官だとは思うのですが。

そして、この魚は「受け口」じゃないのです。

普通、アカメバルのように、魚はほぼ「受け口」なのですが、この八角は違います。

これは、海底の砂地に潜む「底生生物」を食べる為に都合の良い形です。ホウボウと同じ特徴です。

トクビレを食べよう!

魚らしくない珍魚、ハッカクを恐る恐る刺身で食べてみたところ、

めっちゃ旨い

ホウボウのような淡白な味を想像していましたが、どちらかと言えばイシダイのような方向性でした。濃厚な海藻を思わせるような味。

と言うことで、見た目は変ですが味はとても良かったですよ!

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