夏野菜「ゴーヤ」の苦味を取る方法を実践してみます。
苦味を消すと言っても、考えようによってはゴーヤの一番の個性を完全に消してしまうのは寂しい。苦さを少し残してゴーヤっぽく仕上げるのが個人的には好きです。
数ある食材の中で、「苦い」を担当する食べ物は多くありません。“食べれる苦味”は料理のアクセントになりますし、“夏”を代表する野菜の一つであるゴーヤだから、苦味とともに季節を感じる食材として扱っていきたいです。
「ゴーヤ(ニガウリ)」の苦味をとる方法とは?
ゴーヤはゴーヤー、苦瓜(にがうり)、ツルレイシなどとも呼ばれます。沖縄野菜、そして夏の食べ物として強烈な苦味とともに多くの人々の脳に刻まれた食材。
ゴーヤの苦味を取る方法は以下の通り。筆者オリジナルのやり方です。
- ゴーヤを縦半分に切る。
- ワタを少しこそぎ取る。
- 料理に使う大きさにカットして塩をまぶす。
- ゴーヤから出た水分を流水で洗い流す。
- 1回、ゴーヤを茹でこぼす。
- 砂糖、塩を加えた酢水に漬けて1日おく。
手順を解説する前に、美味しいゴーヤの見分け方をチェック。
美味しいゴーヤの見分け方
ゴーヤが美味しいのは新鮮で熟れる前のもの。後述しますが、ゴーヤは思いのほか早く熟してしまいます。
新鮮なゴーヤの見分け方は、表面のボツボツ状の突起に張りがあり、欠けたり柔らかくなっていないもの。また、色が濃い緑色であるもの(白ゴーヤはより白いもの)。
たまに、苦くないゴーヤの見分け方はありますか?と聞く人がいますが、苦くないゴーヤはありません。ただ、表面の突起の目が粗いほうが苦味は少ないとされています。個人的には、ボツボツの大きさで苦味は違わないと思いますが、たまに、生でも食べれるほどマイルドなゴーヤが存在するのも事実です。
ゴーヤの苦味を取る方法
まずはゴーヤを準備します。色の良いゴーヤ達。

白いのは「白ゴーヤ」。長いのはキュウリじゃなくて普通のゴーヤです。
色の違いは品種の違い。白ゴーヤは生食できる種類もあるそうですが、手元にあるやつを試しに生で食べてみたけど、とても生では食べられず。本能が拒否するほどの苦味。

苦味を取らないとヤバそうなので、一刻も早く下ごしらえをしていきましょう。捥いだゴーヤは熟すのが早いです。
1、ゴーヤを縦半分に切る
ゴツい見た目とは裏腹に、柔らかく水分も多いゴーヤ。縦半分にカットします。
種に包丁が引っかかるので勢いが大事です。ケガには注意を。

たまに種がオレンジ色になっていたり、ワタが熟したようにグズグズになっているものがありますが、外皮がしっかりしていれば腐っているわけではありません。
ゴーヤはその特性として、頃合いになると外皮が破裂、というか勝手に割れて種が飛び出します。つまりはゴーヤの繁殖の仕組みが「爆発して飛散する」というもの。種がオレンジ色なのは、爆発のカウントダウンがスタートしたところ。腐ったサインではありません。
ふつう、ゴーヤは完熟する前の未熟な状態で食べます。緑や白は熟していないことの現れでもあります。

2、種とともにゴーヤのワタを取り除く
ゴーヤの大きさに合わせてスプーンのサイズを選び、先っちょを使って種とともにワタを取り除く。

ワタが苦いと思われがちですが、ゴーヤの苦味にワタはあまり関係ありません。(ワタが特別に苦いのではなく、ゴーヤは全体的に苦い。むしろ外皮のほうが苦い)
ワタを全部こそぎ取るべし、と教えるレシピもありますが、ワタを極限まで除去しても苦味は残るうえ、ゴーヤの身が貧相になり見た目が悪くなってしまうので筆者はオススメしません。
3、一口大にカットしてゴーヤを塩で漬け置き
ゴーヤを使いたい料理に合わせてカット。その上で塩漬けにします。
何に使うか決まっていない時は、一口大に切っておけば汎用的でしょう。

カットしたゴーヤをボールに入れて塩で和えます。
前述の通りゴーヤは意外と柔らかく、外皮のボツボツ部分はすぐにつぶれてしまうので、優しく扱ってください。
雑に扱うと、この後の茹でこぼしの手順で身が割れてしまったりします。外皮のボツボツこそゴーヤの特徴なので壊れしてしまわぬよう。
30〜40分ほど置いておくと、塩の作用でゴーヤから水分がでてきます。

苦味の含まれたゴーヤ汁を洗い流すつもりで、流水にさらしてゴーヤを優しく洗います。
4、ゴーヤを茹でこぼす

次に、ゴーヤを鍋に入れてたっぷりの水で茹でこぼしましょう。
煮るのではなく、沸騰したらすぐにザルにあけてください。煮てしまうとゴーヤの形が崩れてしまいます。
また、前の手順で雑に扱うと茹でこぼした時にゴーヤがボロボロになってしまいます。
(とは言え失敗して形が悪くなっても、食べれないことはありません。)
5、ゴーヤを酢水につけて冷蔵庫で保存
ザルにあけたゴーヤは、酢水につけて保存します。
この時ただの酢水ではなく、塩、砂糖などで味をつけておくのがコツ。
塩、砂糖、酢の塩梅は適当です。完全に味付けをするわけじゃないので、薄めで大丈夫です。

あとはそのまま食べても良いし、ゴーヤチャンプルーなどの炒め物や煮物など様々な料理に使うなどバリエーションは様々。
以上、ゴーヤの苦味を取るための手順でした。保存できるのは冷蔵庫で一週間くらいが限度でしょう。
出来上がりから2、3日置いたほうが美味しい気がしました。
ちなみに下処理していない生のゴーヤを保存する時は、新聞紙に包んでからビニール袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室などで保存しましょう。
ゴーヤを夏の常温下で置いておくと、早ければ半日とかで一気に熟して破裂してしまうこともあります。冷気にもそんなに強くありませんが、常温よりは冷蔵庫のほうがまだ長持ちします。
ゴーヤはなぜ苦いのか?
シンプルな疑問。ゴーヤが苦いのはなぜ?
ゴーヤの苦味の正体は以下の成分。
- モモルデシン ・・・食欲増進効果や血糖値を下げる効果
- チャランチン ・・・インスリン(血糖値を下げるホルモン)分泌を促す効果
- コロソリン酸 ・・・血糖値高めの人に良い効果
- ククルビタシン ・・血糖値を下げる効果
ゴーヤの苦味は、血糖値高めの人に良さそう!
また、ゴーヤはビタミンCを多く含む野菜として知られています。しかも普通は加熱に弱いビタミンCなのに、ゴーヤの場合は加熱に強いという特徴を持つそうです。
今回紹介したゴーヤ下処理方法では、そのあと炒め物や煮物などに使うとき、特別な味付けにしなくてもゴーヤの存在をほんのり感じながら食べられると思います。
どうしても苦味が気になる場合は、料理の味付けを濃くしましょう。特に「甘み」は苦味を感じづらくするので有効です。
ぜひお試しを。
コメント