キジハタ(アコウ)を使った「アクアパッツァ」の作り方!

料理レシピ

キジハタは「アコウ」の地方名でおなじみの高級魚です。

南の暖かい海に住む魚であるためか、関東では入手しづらいことも合いまって常に高値で市場に並ぶ印象です。

そもそもの全体の漁獲量が多くなさそうだし、その点もレア感を上げているといったところ。魚市場で見かけること自体が珍しい魚です。

ただし、野締めのものは割とお手頃感あり。

そんなキジハタ料理のバリエーションに、アクアパッツァはいかがでしょうか?

キジハタは「ハタ科マハタ属」の仲間で、巨大魚で有名なタマカイや高級魚のクエと同属ですが、あまり巨大化はせず、せいぜい40㎝前後ほどの控えめなサイズ感です。

そしてこの40㎝というサイズが、アクアパッツァに超最適なのです。

ハタ科の魚は世界中で味の評価が高く、しかも良い出汁が出ることから煮付けなどの料理に向いた素材と言えます。

もちろん、刺身も絶品ではありますが。

キジハタ(アコウ)の「アクアパッツァ」の作り方

高級魚の多いハタ科。キジハタもなかなか侮れない魚です。味覚的に。

大型の魚ではないので料理に使うのも簡単ですし、キロ当たりの単価は高いけど全体重量がそもそも軽いので、気分的には安く購入することができます。

何よりこの1皿サイズの魚は、イタリア発祥の豪快料理「アクアパッツァ」に最適なのです。

ということで、独自に考えてみた「キジハタのアクアパッツァ」のレシピを紹介していきましょう。

キジハタの下処理

まずは下処理から。

ハタ科の魚は総じてウロコが極小なので、取るときに飛び散ると厄介。また、捌いたときに切り身がウロコまみれにならないよう気をつけましょう。

とはいえ、特別な道具を使うことはありません。

オーソドックスなウロコ取りを使って他の魚と同様の手順でウロコを除去します。

皮は厚く、骨も身もしっかりしていて頑丈であるため、多少手荒に扱っても身割れしづらい魚と言えます。

しかし、各部のヒレには鋭いトゲがあるので怪我をしないように気をつけてください。

ウロコをとり、包丁を使ってさらに念入りにウロコを除去します。隠し包丁で内臓とエラを除去したら、アクアパッツァ用に丸のまま焼き上げる準備は完了です。

トゲのあるウロコ類は、キッチンバサミで切り取っておくと丁寧です。が、やらなくても問題ありません。

フライパンで焼く10分〜15分ほど前に、キジハタ全体に軽めの塩を振っておきましょう。

【アクアパッツァのレシピ】材料リスト

キジハタの下処理さえ終わってしまえばあとは簡単です。

キジハタ以外の材料も準備します。調理道具はフライパン一個で完結!2人前で考えてみました。

  • キジハタ2尾(下処理済み。30㎝くらいのもの)
  • 貝類(アサリ、ムール貝、ホンビノス、ハマグリ、なんでも良い)
  • にんにく1片
  • 乾燥パセリ or オレガノ、1つまみ
  • 白ワイン1カップ
  • 玉ねぎ半個(スライス)
  • ミニトマト(ヘタを取る)
  • オリーブ6〜8個(オイル浸けのもの)
  • オリーブオイル
  • こしょう

貝類は冷凍のものでも大丈夫。その場合は冷凍状態まま使って大丈夫です。

アクアパッツァの作り方

  1. フライパンを熱したらオリーブオイルをひと回しして弱火にし、キジハタの左面から焼き始める。
  2. キジハタの左面が色よく焼けたらひっくり返して右面も焼く。ここでにんにくと玉ねぎも入れる。
  3. キジハタ右面も焼き色がついたら、貝類を入れて強火。
  4. 白ワインを投入し、なお強火。ミニトマト、オリーブを入れ蓋をする。
  5. 沸騰してから6〜7分、強火のままで蒸し煮する
  6. 蓋を開け、貝の口が開いていればOK
  7. さらに、煮詰めた白ワインが若干のトロミがついていればそのまま、少ないようなら水を入れ、多いならば強火で水分を飛ばし調節する。同時に味を見て、薄いようなら塩で調味する。
  8. 皿にキジハタを左面を上にして乗せ、スープをかけ具材をざっくり盛り付ける。コショウを少々、乾燥パセリまたはオレガノを振りかければ完成!

「アクアパッツァ」はどんな料理?

さて、キジハタは美味しく料理できましたか?

ここで、そもそもアクアパッツァがどんな料理か、今さらですが軽く紹介しておきます。

アクアパッツァは、イタリア南部カンパーニア州発祥の料理と言われています。

いつ頃の時代から作られていたかというと、正確な年代は分かっていないそうですが、シンプルな魚料理なので、似たような料理は世界各地に昔から存在していたでしょう。

アクアパッツァの成り立ちは、漁師が獲れた魚を船上で調理したことが始まりとされていて、もともとはレストランの料理ではなかったとか。

バリエーションも様々で、トマトやニンニク、オレガノを入れたものなどありますが、白ワインで煮ることは共通しています。

「アクアパッツァ」の定義は正直筆者もよく分かりませんし、他の魚料理との明確な線引きは曖昧であるように思います。個人的には、以下の条件を満たしていれば、「アクアパッツァである」と言って良いのではないかと思っています。

  • 素材に「魚」を使うこと
  • 白ワインで煮ること
  • ソースを乳化させるために「オリーブオイル」を使うこと。

あくまで筆者個人の考えなので、「いやいや、ドライトマトを入れないと!」とか「最後にイタリアンパセリを振りかけないと!」とかあるかもしれません。

加える具材や調味料は、いろいろ考えられます。

アサリ、ムール貝、アンチョビ、にんにく、ケイパー、オリーブ、オレガノ、イタリアンパセリ。

ご家庭の食卓で食べるならば、日本で簡単に手に入る野菜(キャベツや白菜など)を具材に入れても良いでしょう。しかし、主役は魚であるということを忘れないようにしましょう。

キジハタはどんな魚?

ついでに、今回料理紹介に使ったキジハタにも軽く触れておきます。

キジハタは「ハタ科マハタ属」の魚。

名前に「雉(キジ)」とあるのは、体の模様が鳥類の雉(キジ)とそっくりであるから。

ただし、雉(キジ)といえばカラフルなのは雄(オス)の方ですが、キジハタの模様が似ているとされるのは雌(メス)の雉です。

岩礁域に多く生息していることから、釣り人からはメバルアイナメなどとともに「ロックフィッシュ」と呼ばれています。

活けの新鮮なキジハタは超高級魚。刺身は絶品です。しかし、鮮度がイマイチであれば、今回のような料理法が一押しです。

なお、キジハタのみならず、魚介類には寄生虫がいることがありますので注意しましょう。料理の紹介のあとにちょっと不適切に感じる人もいるかもしれませんが、筆者は自然の摂理と考えて、人の体に害が及ばないよう寄生虫についても知識を深めていきたいと考えています。

アクアパッツァにはフォカッチャも一緒に

ということで、キジハタのアクアパッツア。ぜひ挑戦してみてください。

せっかくなので本場のフォカッチャもご一緒に。

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