「クチビ」という魚をご存知でしょうか。
クチビとは漢字で「口火」と書き、口の中が燃えるような赤い色なのでそう呼ばれています。
実は「クチビ」は、とある魚の地方名であり、その魚の正体は標準和名「ハマフエフキ」のこと。南国系の食用魚で沖縄では「タマン」とも呼ばれています。
今回はクチビがどんな魚であるかを紹介していきたいのですが、このクチビ、一言で説明すると、とにかく”惜しい”魚なのですよ。
クチビ(ハマフエフキ)とは?いろいろ”惜しい”魚
標準和名「ハマフエフキ」の徳島方面での地方名である「クチビ(口火)」。
名前の由来の通り、口の中は確かに鮮やかな赤い色でした。

見た目が堂々とした、迫力のある重量級の魚ですが、残念ながら「もうちょっとなのに!」というポイントが気になる魚でもあります。
まず、超個人的に思うことを一番最初に書いておきます。


「風の谷のナウシカ」に出てくる「ブリック(ペジテの輸送船)」に似てませんか?
国民的アニメに出てくる乗り物に似ているとこまでは良いけれど、「ブリック」というかなり微妙な機体だったというのが残念でならないという話。惜しい!!
クチビは沖縄三大高級魚!・・ではない残念さ
クチビはウロコもとても立派ですし、とにかく高級感が漂っています。
実際、関東の市場でも結構な高値で売られていますし、高級魚であることは間違いないでしょう。
ところが、沖縄において、クチビの”惜しい”話があります。
暖かい海に住むクチビは、沖縄でも漁獲されます。そして、沖縄でもクチビ(タマン)は敷居の高い魚として認知されていますが、同地には「三大高級魚」というのがいるのです。
- アカマチ(ハマダイ)
- アカジンミーバイ(スジアラ)
- マクブー(シロクラベラ)
基本はこの3種が「三大高級魚」。
クチビ(タマン)はというと、人によって3大高級魚に「タマン(ハマフエフキ)」を推す人がいるケースもあるという、なんとも微妙な存在。
あとちょっとなのに、お魚界の準レギュラー止まり。
味の評判は?これもやっぱり惜しい
クチビの味はどうでしょうか?
「高級魚」ということは、美味なはず。
個人的には非常に美味しい魚であると思います。クセがなく、独特の旨味があり、外見通り身もしっかり詰まっていて歯応えも良い魚です。
しかし、釣り人たちのネットでの評価はイマイチ。
腹出して、キンキンに冷やすと
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14149718779
食えますし、普通かなと!
臭いの居るし、
持ち帰りが悪いと
辛い場合が有りますが
単純に磯物だから
仕方ないって考えてます。
しかし、味は…美味しいとは言えない…
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14149718779
フエフキ系統は癖のある魚が多いですね…
バラフエダイ何かは特に…
激マズではないけど、大きい奴ほど美味しくないような気がします。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14149718779
同じ道具、ポイントで釣れるコロダイの方が比べるとおいしいです。
夜釣りや底もの外道ですね。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14149718779
個体によって差がありますが抜群にうまいとはおもいません。
普段塩焼きにするけど、まあ普通の白身。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14149718779
ベラのほうが旨いかな。
これは惜しい!惜しすぎる・・・。
人によるのか、個体差なのか。でも僕はクチビ、美味しいと思っていますよ。
名前の由来は不明
クチビの標準和名は「ハマフエフキ」です。
「ハマフエフキ」という名前については、由来はどうやらハッキリしないようです。
漢字で書くと「浜笛吹」となるので、普通に考えて「浜で笛吹いてる魚」みたいな由来であろうとは予測がつきます。
生物的には「フエフキダイ」と同じ仲間。

ちなみに「クチビ」とは、冒頭で書いた通り口の中の赤い色から。漢字では「口火」となります。
沖縄では「タマン」や「ターマン」と呼ばれ、高級魚として扱われることは既に書きました。
ちなみに「クチビ」という地方名は、主に四国や九州での呼び名です。
他にも「クチミ」、「クチミダイ」、「クチビデエ」など、地域によっても細かく呼び名が異なるそう。
クチビは大きく長寿の魚
クチビは最大で1メートル近くまで成長する魚で、寿命はなんと20年を超えます。だいたい釣り人からヌシと呼ばれる魚の正体はコイツではなかろうかと感じられます。
他の多くのフエフキダイ属の特徴と同じく熱帯の海域に属し、沿岸の浅い海のサンゴ礁などで良く見られます。
クチビの顔には独特の模様があります。南国らしい模様と言えるでしょう。

鱗は大きくて硬いので取りづらく、ヒレはおおむね鋭く尖っているので注意が必要ですよ。
クチビの食べ方おすすめ!
僕の所感では、脂が良く乗っていて「刺身」が一番おいしかったです。
あるいは、焼き魚は万人向けの味と言えるでしょう。
しかし、総合的にオススメしたいのは「煮物」です。アラからとても良いダシが出て、とても上品な味わいでした。
焼くと身が締まるような感じの魚なで、煮物であればしっとりと煮汁を絡めて食べられるし、ちょうど良いと感じました。
「いろいろ惜しい」と感じるのは、つまり、そもそも評価の高い魚であるということ。
安価な魚ではありませんが、手に入れる機会があれば食してみてください。
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