ヒラスズキとマルスズキの見分け方

魚介の雑学

海の幸とか海産物でおなじみ「スズキ」というお魚。その上位互換と言っても過言ではない高級魚「ヒラスズキ」。両者とてもよく似ていて違いが曖昧。

スズキは「マルスズキ」の俗名で呼ばれることもあり、これは主に釣り人が使う呼び方で、おそらくヒラスズキに対して普通のスズキに「マル」を付けて呼びだしたと思われ、単に「ヒラ」や「マル」と呼んだりします。

重要なのはヒラスズキが高級魚であることと、「マルスズキ=スズキ」であり「スズキ≠ヒラスズキ」という違い。

スズキも高級魚として扱われることは多くてその傾向は年々強くなっていますが、「文句なし高級魚」のヒラスズキに対して、スズキは養殖物とか野締めの安価なものが売られていたり、まだまだお得感ある魚と言えます。

何が言いたいかというと、高級魚とよく似た大衆魚という違いから、ヒラスズキとスズキ(マルスズキ)の見分け方は大事!!となります。

ヒラスズキとマルスズキの見分け方

ヒラスズキとスズキ(マルスズキ)の見分け方。様々なポイントが言われていますが、筆者的に分かりやすいのは以下かなと思います(分かりやすい順)。

  1. 尾ビレ部分の太さと長さの違い
  2. 体高の高さの割合の違い
  3. 体色(黄みがかった銀色がマル、明るい銀色がヒラ)の違い
  4. 目の大きさの違い

尾びれ部分が太いのがヒラスズキ

画像を見比べると分かりやすいですが、同じくらいのサイズ感でマルスズキとヒラスズキを並べてみました。

「フッコ」スズキの若いころの呼び名で、今回は関係ないのでスルーします。出世魚のスズキに関する記事も書いてますのでよければ覗いてみてください。

マルとヒラの尾びれ部分を見ると、体の全長に対しての尾びれの太さ(大きさ)の割合が明らかに違います。太いのがヒラスズキ。

あくまでも「体全体の大きさに対しての割合」というのが大事。ヒラスズキは体のサイズの割に尾ビレの付け根が太いのが特徴です。分かりづらいですが、尾びれの長さも微妙に短いのがヒラスズキ。

体の割に尾ビレが太いのがヒラスズキと覚えましょう。たぶん一番分かりやすい見分け方です。

体高が高いのがヒラスズキ

背ビレ側(背中側)が盛り上がって体高が高く見えるのもヒラスズキの特徴。スズキと比べるとヒラスズキの方が真横から見た厚みが太め。

ただし、同じ種の魚でも個体により千差万別の姿形をしています。上に載せた写真を見ても、マルスズキのほうが体高が高いように見えますよね。最初に書いた尾ビレ部分の見分け方も、別の個体を並べたら違いが分かりづらいかもしれません。

複数の見分け方を総合的に組み合わせて、マルとヒラを見分ける必要があるでしょう。

ヒラスズキとマルスズキは体色が違う

ヒラスズキは金属感ある銀色。明るいシルバーです。対するマルスズキは、やや緑っぽい黄色味のかかった銀色。背ビレ(背中)側は「いぶし銀」のような渋めの色です。

ざっくりとしたトーンが明るめの銀がヒラ、暗めの銀がマルと覚えると良いです。

ただし先に書いたように個体差あり。同じ魚でも微妙な違いがある点は留意が必要でしょう。成長度合いとかでも体色は微妙に変化します。

ヒラスズキは体に対し目が大きい

体の割にヒラスズキは目が大きいです。マルスズキとヒラスズキを並べて、ヒラのほうが目が大きいというわけではなく、全長サイズに対しての目のサイズがデカめ。

ただ、大きく成長するにつれ、ヒラとマルを見分けるのは難しくなるような気がします。特に目の大きさは似たり寄ったりになるかも。

ヒラスズキとマルスズキの見分け方は、以下4つの違いを押さえると簡単です。

  • 尾びれの大きさの違い
  • 体高の違い
  • 体色の違い
  • 目の大きさの違い

違いを覚えた上で、見分けるコツは、最初のうちは鮮度や成長度合いなど似たものを目の前に並べること。見慣れると、違いが感覚的に分かってくるようになります。

蛇足ですが、ソウダガツオという魚もマルソウダとヒラソウダの異なる2種に分けられているので、もしかしたらスズキはソウダガツオに肖ってマルスズキと呼ばれるのかもしれません。

ヒラスズキとマルスズキのハイブリッドは存在する?

ハイブリッド、つまり交雑するのかという話です。ヒラとマルが交雑して子供は生まれるのでしょうか?

筆者が調べた限りでは、ヒラとマルの交雑の例は見つけられませんでした。

一般的には、ヒラとマルの生態は異なり、海の中で生活が交わることはないとされています。例えばマルに比べヒラは暖海性で、産卵期も微妙にズレるとされています。

でも、生き物には個体差があり、散乱期は機械のように均一ということはないし、住む場所だって幅があるはず。もともとは1つの種から分かれたヒラとマルなので、ハイブリッド種の可能性がゼロではないのかもしれません。筆者は遺伝子とか詳しく無いので分かりませんが。

ちなみに、スズキと別種の「タイリクスズキ」は、スズキと交雑することが確認されているそうです。

「シーバス」との関係は?

もう一つ、「シーバス」と呼ばれる魚との関係も気になりますが、シーバスはフィッシングにおけるスズキの別称で、同じ魚のことを指します。

ヒラスズキのことをシーバスとはあまり聞きません(間違いではないと思う)が、マルスズキやタイリクスズキはまとめて「シーバス」と呼びます。

シーバスという名前の由来は、淡水でブラックバス釣りが大流行した時代に、淡水の「バス」に対して海の「シーバス」との呼び名が生まれたようです。

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