ヒラメとカレイの見分け方「左ヒラメに右カレイ」の発見者は誰?

水戸公設市場で買った天然物のヒラメ 魚介の雑学

左ヒラメに右カレイ」とは、ヒラメとカレイを見分ける際に使われる言葉。

ヒラメは高級白身魚でカレイはどちらかと言えば大衆魚ですから、この2種を取り間違えるとマズい。

ヒラメとカレイは一見するとそっくりですが、体の向きが左右逆なんですね。この向きの違いから両者を区別する方法が「左ヒラメの右カレイ」というわけです。

ここで「この言葉を考えた人は誰?」と、ふと気になってきます。

答えを先に書いてしまうと、成り立ちはずいぶん昔の話で誰が、いつから言い始めたのか、正確なところはよく分かっていません

「さかなクンが言い出した」という情報が一部あるようですが、これはデマです。もっと昔から使われていました。

「左ヒラメに右ヒラメ」の起源は“さかなクン”ではない

もし、「左ヒラメに右ヒラメ」を最初に言いだしたのが、魚に詳しい“さかなクン”だと聞いても「なるほど」と納得してしまいそうです。しかしこれは誤り。この言葉は昔から存在していたようで、言い出しっぺは謎に包まれています。

また「“ことわざ”の一種か?」というと、確かにそのような使われ方をしますが、“ことわざ”とも異なります

そもそもヒラメとカレイの見分け方はとてもシンプル。詳細を確認すれば、最近になって提唱されたという意見そのものが不自然だと気づくと思います。

「左ヒラメに右カレイ」の覚え方

ヒラメとカレイの見分け方を確認しておきます。

ヒラメとは、一般的には「カレイ目カレイ亜目ヒラメ科」に属す魚の総称。

一方、一般的にカレイは「カレイ目カレイ亜目カレイ科」の魚の総称とこと。

ヒラメとカレイの違いは別記事でも詳しく解説しています。

その上で、「左ヒラメの右カレイ」の覚え方とは?

ヒラメは目が頭の左側についています。つまり、目を天井に向けて(口が手前に来るようにして)まな板においた時、顔が左にあるのがヒラメです。

ヒラメ(鮃)の顔
口が手前(自分のほう)に来るようにまな板に置いた時・・・、
でかいヒラメ(鮃)
左を向くのが「ヒラメ
カレイの顔
口が手前(自分のほう)に来るようにまな板に置いた時・・・、
カレイ
右を向くのが「カレイ

これだけ。シンプル。ただし例外もあります

「左ヒラメに右カレイ」の例外

世界的に見ると、ヒラメとカレイを区別せず同じ括りで扱う国も多いです。そもそも生物学的に見れば遺伝子が近い魚で、日本は細かな違いに着目して区別しているというだけの話。

その上で、カレイの仲間の中には左を向いたカレイが存在します。「ヌマガレイ」はカレイ科の魚でありながら左を向くケースが多いです。

さらに、ごく稀にヒラメのくせに右を向いているものが発見されることも。突然変異なのかもしれませんが、原因はよく分かっておらず不規則的な現象としてしばしばニュースにもなります。

詳しくはヒラメとカレイの違いの記事でも紹介しています。

“さかなクン”提唱説はなぜ?

冒頭で書いた通り、「左ヒラメに右カレイ」をさかなクンが発見したというのは誤り。

さかなクンは魚類に関しての権威と言って良いほど豊富な知識を持つお方。これは筆者の想像ですが、もしかしたら何かのテレビ番組で、ヒラメとカレイの見分け方を紹介したのかも。何も知らない人からすると、さかなクンが提唱した見分け方と勘違いしたのではないでしょうか?

さかなクンは、2010年、秋田県の田沢湖にのみ生息していた淡水魚「クニマス」の発見をしたことで大変な注目を浴びました。絶滅種と認定されて久しく懸賞金まで掛けられた魚の発見は、多くのニュースでも取り上げられました。

実績があるさかなクンならではの誤解かもしれません。

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