コロダイとコショウダイの違いと見分け方

魚介の雑学

コロダイコショウダイは、お互いがよく似た魚として取り沙汰されるので、違いと見分け方を調べてみました。

美味しい、安い、歩留まりも良い、三拍子揃った素晴らしいお魚のコロダイとコショウダイ。どちらも全長60cmほどに成長し、暖かい海の岩礁から沿岸域に生息する大型の白身魚です。

見た目だけでなく、市場価値さえ似たり寄ったりの両者。個性がハッキリせず、ぼんやりと間違えることが良くあるので、違いをしっかり覚えたいです。魚を扱う仕事の筆者には、超切実。

コロダイとコショウダイの違いと見分け方

コロダイとコショウダイはそもそも同じイサキ科なので、見た目も味もよく似た魚。

それぞれの詳細は、「コロダイとは?」の記事と「コショウダイとは?」の記事で解説。

コロダイの名前は「ウリ坊」に由来し、コショウダイは胡椒(こしょう)のように小さくて丸い斑点が体を覆う魚(詳しくは上記個別記事にて)。

ちなみに、コショウダイの英名は「crescent sweetlips」で、これを直訳すると「三日月の恋人」となり、特徴的な唇が名前の由来となったロマンチック魚として知られます。そして見た目そっくりなコロダイも魅力的な唇の持ち主であることは言うまでもありません。

両者は見間違えることが多いので、違いを押さえ、見分け方をマスターしておきましょう。

コロダイとコショウダイの違い

そもそも両者は生き物として学術的な分類が違います。

  • コロダイは「イサキ科コロダイ属」
  • コショウダイは「イサキ科コショウダイ属」

似ているとはいえ、遺伝子レベルでは違う部分もけっこうあるということ。

コショウダイは、体全体に太くて斜めに走る縞模様がありますが、対するコロダイには縞模様はありません。

別の言い方をすれば、体の斜めの縞模様の有り/無しで見分けることができるということですね。

下の写真はコショウダイで、よーく見ると体に斜めの太い線(全体の体色に比べて薄い色の線)が走っているのが分かるでしょうか。この縞模様は成長が進むと薄くなるし、また、鮮度が悪くても分かりづらくなるため、見分けるのは成魚になるほど困難。とは言え、コロダイはこの特徴を持たないため、一番分かりやすい違いだと言えます。

下写真はコロダイ。鮮度の良い成魚。斜めの太線模様はありません。

コロダイは縞模様なし

コロダイ、コショウダイは体の斑点にも違いあり

コロダイもコショウダイも体に斑紋を持つ魚ですが、微妙に模様のパターンが異なります。

  • コロダイは顔にまで黄味がかった斑点が目立つ。
  • コロダイは背ビレから尻尾にかけてメリハリのある黒い斑点。

2種とも、腹を除いた体全体に斑点がありますが、顔の斑点が目立つのはコロダイ。

斑点の色も、コロダイは黄色や黄土色であるのに対し、コショウダイは黒っぽいです。

縞模様と同様で、鮮度によって斑点の色もくすんでしまうので、死んでから時間の経ったコロダイとコショウダイの判別は難しくなるでしょう。

以上、紹介した2つの違いを組み合わせて見比べれば、コロダイ|コショウダイを見分けることができます。ただし、鮮度や年齢、個体差も加味すると見極め難度が高いことは間違いありません。何回も魚に触れて見慣れることも大切なポイントです。

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