【ケムシカジカ】ブサイクな魚の値段とは?

ケムシカジカ お魚一覧

ケムシカジカブサイクな魚ですが、れっきとした食材。

見た目はアレでもちゃんと食べる用に切り身にすれば他の魚と何ら変わらず、味も割と良い、しかも不人気ゆえ値段も安くオススメのお魚です。

細々と流通し、魚市場とかでもたまに見かけるケムシカジカ。

見た目と名前が悪く歩留まりもイマイチ・・・。美味しいにも関わらず安値で売られていることが多い。つまり見方によってはコスパが良いとも言えますね。

とは言え、インパクトある見た目から「毒とか持ってるんじゃないの」と言われそうなので、特徴や食べ方など紹介してみます。

お魚界きっての“ブサイク魚” ケムシカジカとは?

なんとも不細工な魚、ケムシカジカです。上の写真は30㎝の成魚。

ケムシカジカの顔はなぜこんな混み入ったデザインをしているのか。それは外敵から身を守るためやエサとなる生き物に気づかれないための擬態能力と言って良いでしょう。体色は個体によって異なる非常に紛らわしい魚。

食用魚ですからもちろん食べることはできますが、一体どんな味なのでしょうか。後ほど紹介します。

ケムシカジカの値段と味

食用魚であるなら見た目はどうであれ食べれるはず。市場でちゃんと流通し当たり前ですが値も付く魚。つまり需要があるということ。

見た目と名前、そして歩留まりの悪さがマイナスに作用し安く売られていることが多い印象。1キロあたり1000円ほどでしょうか。ひと昔前だともっと安値で扱われていました。

ケムシカジカの味はあっさりとして普通に美味しいです。

一番おいしい食べ方は、刺身よりは火を通すと良いでしょう。唐揚げ、煮物に最適な魚。刺身でも普通に食べれそうですが、身がプルプルとして水分が多く、脂も少なめでやや物足りない印象を受けます。

なお、頭が大きく身は細いので歩留まりはかなり悪いです。そのうえ内臓も大きめ。でも実はこの肝が美味。肝を生かすなら鍋料理が良いのではないでしょうか。

ケムシカジカの処理方法は、基本的には他の魚と変わりませんが、カワハギ科の魚のように皮が丈夫な魚なので、ウロコは取らずに皮を剥いで処理します。複雑な見た目に反して意外と下処理は簡単。

真子、肝がウマい、そして旬が冬とくればやはり「鍋」に向く魚です。

ケムシカジカに関する豆知識も見ていきましょう。

川カジカと海カジカの違い

“カジカ”と聞けば川の魚だと思う人も多いはず。

川にいるカジカは「スズキ目カジカ亜目カジカ科」に属し、「トゲカジカ」や「ウツセミカジカ」など複数魚種の総称として使われる呼び名です。

カジカ科の魚たちのほとんどは一生を河川で過ごしますが、中には海に下る種類もいるようで、生態にまだまだ謎のある魚のようです。

それもそのはず。

川に住んでいるほうのカジカ科は日本固有種で、しかもその多くが絶滅を危惧されており、謎多く希少な生き物というポジションなのです。

一方で「海のカジカ」ことケムシカジカは、生まれてから死ぬまでを海の中で過ごす海水魚。

生物学上の分類から見ても、「スズキ目カジカ亜目ケムシカジカ科」に属していることから、川に住むカジカ科の魚たちとは異なる種であることが分かります。

オコゼとケムシカジカの違い

ケムシカジカは、これも見た目のせいですが「オコゼ類」ともよく間違われます。

オコゼといえば、「スズキ目カサゴ亜目」に属する「オニオコゼ科」などの魚たちを言うので、ケムシカジカとは似て非なる存在。

ちなみに「オニオコゼ科」には背びれに毒を持つ種がおり、そのせいで見た目がそっくりな「ケムシカジカ」も毒を持っていると思われがちですが、これは誤りです。

そうは言ってもケムシカジカの名前と見た目から、むしろ毒を持っていない方が不自然で、毒のない安全な魚と聞いて逆に残念な気持ちになってしまうから不思議なものです。

ケムシカジカに毒はない?

ケムシカジカの外皮はまるで汚染区域でアウトブレイクしてしまったかのよう。

いったいどんな手触りなのでしょうか。

簡単に言えば爬虫類っぽい触り心地です。

多くの魚に共通する硬いウロコの感触と異なり、ブヨブヨの皮膚みたいな、それでいてザラついた手触り。ヌメリ感は意外とありません。

ブヨブヨとたるんだ外皮を触った時の不快感は強め。

ケムシカジカの卵

ちょうど卵持ちのケムシカジカに当たりました。

産卵直前くらいの成長具合だと思われます(お腹がパンパンに膨れていたので)。

筆者は醤油漬けにしていただきました。

ケムシカジカの卵は、筋子(イクラ)よりも粒が小さくて黄色味がかっています。川魚の卵に間違えそうな見た目。皮が厚いのか食感はイクラよりも強め。口当たりが気になる人はいるかも。筆者は好みの歯応えでした。普通に美味。

1月頃の個体はこのように卵持ちの場合があるようです。産卵期は冬ってことですかね。

ケムシカジカの大きな口に注意

ケムシカジカの大きな口には、びっしりと細かい歯が生えていて、触ると地味に痛いことも特徴の一つと言えるでしょう。

つかみどころによってはケガをしますのでご注意を。

肉食性で、ゴカイや小さな甲殻類などを食べるようです。

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