【カサゴの寄生虫】卵にフィロメトラ、刺身にアニサキス

ウッカリカサゴ 魚介の寄生虫

魚市場より仕入れたカサゴを捌いてみたら、に異常を発見。調べたところ案の定寄生虫の一種「フィロメトラ」だと分かりました。

本文に写真を載せてますが、これがなかなかエゲツない画像なので苦手な方は見ない方が良いかもしれません。気分が悪くなる可能性もあるのでご注意ください。筆者も衝撃のあまりしばらくフリーズしたほどです。トラウマ注意です。

さらに他にも、例えばカサゴを刺身で食べる時などに寄生虫リスクは存在するのでしょうか?ズバリ、悪名高き「アニサキス」がいる可能性は?

調べてみました。

【カサゴの寄生虫】卵にフィロメトラ、刺身にアニサキス

このたび「フィロメトラ」がカサゴの卵巣に寄生しているのを発見したので、震える手を抑えてカメラにおさめました。

初見なので調べて分かったことを記事にまとめておきます。さらに、食中毒に繋がる恐れのある寄生虫「アニサキス」のリスクについても調査。

海産物を取り扱っていると避けて通れないのが「寄生虫」との出会いです。人体に影響のある寄生虫もいますが無害なヤツも多く、当ブログでは、食材を紹介する中でそれらをタブーにせず紹介するスタイルでやらせてもらってます。

それはそれとして、今回の寄生虫はかなりヤバめ。グロが苦手な人は本当に見ない方が良いです。

寄生虫「フィロメトラ(Philometra)」とは

フィロメトラの画像は本当にヤバイのでもう少し後に紹介します。その前にフィロメトラがどんな生き物なのかを紹介。

調べるにあたっては、「東京都保健医療局」や「KAKEN」を参考にさせていただきました。

「フィロメトラ」は線虫に属す生物。世界中に分布し、様々な種類の魚を最終宿主とする寄生虫の一種です。

厳密には、大きさや色が微妙に違う数種類のフィロメトラがいますが、人間の目にはほぼ同じ生き物に見えて種類の判別は難しいでしょう。筆者が発見したヤツも種の特定はできませんでした。

カイアシ類を中間宿主とし、それらを食べた魚に最終的に寄生。人間には寄生しません。さらに言えばヒトが食べても無害とのこと。(万が一にも食べたいとは思いませんが)

ライフサイクルを大まかに説明すると、フィロメトラの幼虫に寄生されたカイアシ類を魚が食べ、魚の体内に寄生したあと、最終的には宿主の皮膚を壊し、その際に生きている幼虫が外へ放出されます。そして幼虫は振り出しに戻ってまたカイアシ類へ、という流れみたいです。

フィロメトラは最終宿主の体外へ出る時に傷を作りますが、後に魚の傷は治癒して傷跡は残らないそうです。フィロメトラに限らず、寄生虫と宿主の関係はだいたい似たようなもので、それは「共生」です。

いずれにしろ、フィロメトラはヒトに寄生することはなく仮に食べても影響はないとされています。影響ある寄生虫といえば、アニサキスです。

カサゴにもアニサキスはいるので「刺身」に注意

カサゴを原因としたアニサキス症による食中毒は、料理業界ではあまり聞きませんが、カサゴにもアニサキスはいます

寄生虫「アニサキス」はフィロメトラと同じ線虫の一種。人間の体内に入ってしまうと「アニサキス症」という食中毒症状を引き起こします。見つけ方と対策については別記事にて解説。

広く魚介類に寄生する生き物の中で、アニサキスは抜きん出て悪名高い食中毒の原因生物。

カサゴでのアニサキス症が一般的ではないのは、カサゴが食べるエサにアニサキスが潜むことが少ないのと、そもそもカサゴを刺身で食べること自体多くないことが理由だと思います。

カサゴの刺身はどちらかと言えば珍しい食べ方。決して不味いわけではなくむしろ美味ですが、サイズが大きくならないカサゴは歩留まりが悪く刺身向きではないのです。しかも煮付けにすれば良い出汁が出て美味しく、あえて刺身で食べる魅力が弱いという事情も。もちろんサイズに恵まれたカサゴは刺身で食べる価値は十分ありますが・・。

筆者の想像ですが、カサゴの食性はアニサキスが入りづらいのではと思います。その根拠はカサゴを捌いてアニサキスを見つけることが少ないから。タラ系の魚は、捌いていると内臓にだいたいアニサキスがいます。

フィロメトラに侵されたカサゴの卵(閲覧注意)

問題の寄生虫「フィロメトラ」はカサゴをはじめとした魚の卵巣に寄生します。

くどいようですが、食欲が一気に失せるほどの閲覧注意画像ですのでご注意ください。

下の画像はカサゴの卵巣(いきなり視覚に入らないようワンクッション入れました。ご覧になりたければ画像をタップあるいはクリックしてください)。本来はクリーム色なのに、明らかに黒く異常な色をしていたので異変に気付きました。

つまり、卵巣の中で「フィロメトラ」なる寄生虫が大量に繁殖していたということ。

さすがの筆者もかなりショックを受けた光景でしたが、これも自然の摂理だと考えれば見たままを受け入れるしかないでしょう。

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