アワビの下処理方法と“食べてはいけない部分”とは?

料理レシピ

高級食材の鮑(アワビ)をゲット。福島からの海の恵みです。

アワビはミミガイ科の仲間。・・と言われてもあまりピンと来ませんよね(笑)。キレイな貝殻で“耳”に似ているヤツ。その仲間がアワビというわけです。

アワビと言っても、細かく分類すればクロアワビやエゾアワビなど複数の種に分かれます。ただいずれの種類でも高級食材であることに変わりありません。

滅多に家庭の食卓で出会うことのないアワビ。下処理や食べ方に馴染みは薄いかもしれません。そして“食べてはいけいない部分”はあるのでしょうか?

アワビ(鮑)の下処理方法と“食べてはいけない部分”

アワビは1枚貝です。「磯の鮑の片思い」は1枚貝の切なさを表現したことわざ。

それはそれとして、海藻をまとった取れたてのアワビ。さっそく処理していきましょう!アワビのいろいろな部位や器官を紹介しつつ、食べれる部分、食べられない部分を確認していきます。

【アワビの下処理】洗って殻から身をはずす

今回、アワビは“締められた”状態で入手しました。つまり死んでるってことです。活けのまま保存したり下処理することも一般的です。

締め状態のアワビ、最初にやることは掃除から。全体に塩を目一杯ふって掃除していきます。

塩を振ったらタワシでゴシゴシしっかりめにこすります。全体的にヌメっとしてきたら流水で洗い流します。

掃除が終わったらスプーンなどをつかって、貝から身をはがします。

今回はおろし金の持ち手がちょうど良い感じ。貝柱と殻が接着する部分をこそぎ剥がすイメージです。

きれいにはずせました。

アワビの肝の下処理

次は肝の処理です。

手で引っ張って身と肝を分離したのが上の写真。

こちらが身の部分。

そして、上の写真が肝です。

緑のトンガリ帽子のような部位を「肝」と呼び、そこからなんとなく混み入ってゴチャッとしてる部位は「ヒモ」と呼ばれています。

帽子の被り口の部分にある「砂袋」と呼ばれる器官は、口当たりが悪いので切り捨てましょう。老廃物がたまる場所との噂もありますので(食べれないことはない)。

「ツノ」と呼ばれることもあるアワビの肝。実は生殖器官でもあり学術的な呼び方だと「中陽線(ちゅうようせん)」と言うのだとか・・。

アワビは外見からはオスメスの見分けがつかず、中陽線を見て判別します。肝(中陽線)がクリーム色のものはオスで、メスは緑色。

アワビにも雄雌があったのか!ということですが、今回紹介しているアワビはメスのようですね。

肝もヒモも基本的には食べることができます。アワビは“食べてはいけない部分”は基本的にはありません。ただし注意点があるので詳しく解説します。

アワビの“食べてはいけない部分”は?

今回のアワビの肝、一見すると本能的に食べたらダメそうな色をしていますね。

後から調べて分かったことですが、黒っぽい緑色をした肝は毒素を含んでいることがあるらしく、食べてはいけないと伝える地域もあるそうです。(今回は知らずに食べたけどセーフでした)

春先(2月から5月)のアワビの中陽線は有毒なので食べてはいけないとも言われます。厚生労働省よりアワビの毒性(外部リンク)について注意喚起も出されていますので、アワビの肝を食べる時には注意すべきでしょう。

個人的な意見ですが、魚介類に限らず生き物の「肝」は多量に食べるべきではないと思います。少量ならば薬になっても、たくさん体内に入れると毒に変わる食べ物は世の中にあると思っています。

メスの肝はもう少し鮮やかな緑色であれば食べてもOKとのことですが、今回の肝はドス黒い緑色なので本来は食べないほうが良いでしょう。私は少量だったためか運良く食あたりを逃れたようです。

アワビの肝は加熱した上で食べるほうが無難です。肝はフードプロセッサーを使ったり包丁で叩いたりしてペースト状にし肝醤油にして身に絡ませると美味しいですよ。

実物のアワビ肝を処理して勉強になった

ご覧のように切り分けました。身は蒸す、煮る、焼く、などした後にスライスして召し上がりましょう。肝は、(食べられそうなら)肝醤油に。柔らかくしたバターと混ぜて肝バターで身をソテーするのもオーソドックスな調理法です。

魚介類の肝は食べられるものが多くありますが、アワビに限らず、状態の悪いものを食べてしまうと食中毒になってしまうので注意したいところです。

日本のみならず、海外でも魚介類の肝を食べる文化があります。その中で食材として、ある共通の認識が存在するようです。

それは、クスリ的な効能の言い伝え。強力な養分があることと裏腹に、食べ過ぎると中毒になると言われたり、季節や生息する場所によっては食中毒の原因となってしまうということは科学の発達していない昔から多く言われていることのよう。

今回、アワビの肝を処理して学んだのは、自然のものを口に入れるとき、明らかにヤバそうと本能が告げてくるものには注意を払うということ。見た目、匂い、味を自分の感覚が受け付けないのならば、それは割と正解であることが多いのかもしれません。

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