ヘチマのような形をしたオレンジ色の物体。鶴首南瓜(ツルクビカボチャ)という名前の野菜です。
カボチャには大きく分けて西洋カボチャと日本カボチャがあり、本当はもっとあるけど、とにかく鶴首カボチャは、なんと日本カボチャに分類されます。意外。
今回は珍しい野菜の食べ方ということで、紹介していきたいと思います。
ヘチマぐらい長いオレンジのカボチャ【鶴首カボチャ】
鶴首カボチャは古くから日本で栽培されてきた野菜。
見た目は西洋野菜っぽいですが日本での歴史は古く、愛知県の伝統野菜として親しまれています。他にも似た形状で「バターナッツ」などの別種も日本カボチャです。

なかなかの大きさ。武器になりそう。固いので危険です。
カボチャは「ウリ科カボチャ属」に分類される野菜で、ヘチマもウリ科だから見た目が似ているのかも?
カボチャと言っても色んな形があるものですね。以前紹介したコリンキーもカボチャの一種です。
食べ方、味はどんな感じなのでしょうか?
鶴首カボチャの食べ方
まずは下処理からはじめましょう。皮をむいて調理するサイズにカットします。

皮むきの前に、大根のように輪切りにします。鶴首カボチャの皮はとても固いので裏技を使います。
鶴首にかぎらず、カボチャの簡単な切り方はパン切り包丁を使うと良いです。

大根のような感じで全部カット。切らずに残す場合は、種が詰まって膨らんだ部分から先に食べたほうが良いです。悪くなるのは種が入った場所から。
輪切りブロックの皮を剥いていきます。

皮むきもパン切り包丁が最強。輪切りブロック毎に皮を切って剥いていきましょう。

皮を剥いたら、種を除去。スプーンを使うと良いでしょう。

適当に、食べる大きさにカット。火を通すと角がとれて若干小さくなります。

普通のカボチャと違って、皮を剥いた中身は切りやすいです。火を通す時に大きさがバラバラだと良くないので、体積を均一にする気持ちでカットしましょう。種が付いてた部分は身が薄く柔らかめなのでより大きめに切ったほうが良いです。
火を通すには様々な方法がありますが、今回は量が多いからエチュベにします。エチュベというのは野菜の水分を使い、蒸し焼きのようにして火を通すフランス料理の手法。
多めのオリーブオイルと塩少々、水をスプーン2杯くらい入れてナベに蓋をし、とろ火から弱火くらいでじっくり火を通します。最初のうち、鶴首ブロックが固いうちに木べら等でかき混ぜてオイルと塩を絡ませておきます。

余談ですが、カボチャはエチュベでじっくり火を入れてもあまり色変わりしません。しかし葉物系の野菜の場合、強火で一気に火入れをしないと色が飛んでしまうので、野菜本来の発色を生かして火を入れたい時は茹でるのが良いと思います。
じっくり30分ほど火を通します。火加減によっては時々かき混ぜないと焦げ付いてしまいます。でも、混ぜすぎるとすぐに形が崩れてしまうため注意です。

完成です。まだちょっと固めですが、この状態で冷まして冷蔵保存することに。料理提供前にフライパンで焼き色をつける際、仕上げの火入れができるのでOKとします。
鶴首カボチャの味は?
鶴首カボチャはいわゆる一般的な形のカボチャと比べてホクホク度は低め。よりサラサラしつつ粘りもある食感です。
甘味がけっこうあります。これは意外でした。以前バターナッツ(鶴首と似た様な形のやつ)をよく使っていましたが、色の割に甘味が薄いと感じていました。
バターナッツと同じで、潰してポタージュのように使われるケースが多いと思います。色が良いのでスープにすると映えます。
固形のまま食べるときは、火入れを注意しないとすぐに形が崩れてしまうかも。