英名でapricot(アプリコット)とも呼ばれる「あんず(杏)」は、梅の実に似た見た目と甘酸っぱい風味が特徴のフルーツです。
「梅と桃とすももを三角形にして、ちょうど真ん中くらいの味」・・のような感じ。風味に特徴がある果実なので、コンポートやジャム、ソースやピュレなど、スイーツや料理に利用されます。
今回、梅雨にもうすぐ入ろうかという6月くらいに、“あんず”の実をゲットしましたので「干しあんず」作りに挑戦してみました。

最初はジャム作ろう!・・と思ったのですが、あえてドライフルーツ作りにチャレンジ。
せっかくなので作り方を以下にまとめつつ、細かい工程も紹介していきます。
- “あんず”を水洗いする。
- ヘタ取りし、包丁で半分に切って種を取る。
- 鍋に砂糖水を沸騰させ、“あんず”を投入し火をすぐ止める。
- 室温で「2」が冷めたら冷蔵庫に入れ1日おく。
- 翌日、“あんず”をザルにあけて水を切り100℃弱のオーブンへ。
- お好みの状態まで乾燥させて(目安は半日ほど)完成!
手順自体は簡単ですが、乾燥させるのに時間がかかります。
そのため、オーブンを付けっ放しにしておく必要があり注意が必要(放置して黒焦げにならないように)。
ということで、“あんず”のドライフルーツを作る手順を細かく説明していきます。
【干し杏(あんず)の作り方】ドライアプリコットを作ってみた
まず最初に“あんず”の実をそのまま洗います。同時に、汚れやヘタが付いていたら取り除きましょう。
ちなみに、実が限界ギリギリまで熟している場合は、これから説明する手順の全てにおいて優しく扱う必要があります。
ジャムにするのであれば別ですが、ドライフルーツだとある程度形が残るので、処理の過程で潰してしまっては完成品がグチャグチャになってしまうので注意が必要。
“あんず”を半分に切って種を取る
洗い終わったら、“あんず”の種を取りましょう。
包丁を使って実を半分に切りつつ、中に入ってる種を取っていきます。
皮は剥きません。



絵と文章だと伝わりづらいですが、包丁を入れたら、真ん中に入っている種に当たるので、その種に沿ってぐるっと一周、実を切ります。
包丁を持つ手と反対の手で、“あんず”の実を回転させれば切りやすいですよ。

この通り。熟した実であれば、実を一周切っただけで、種が勝手に実から離れてくれます。

すべての“あんず”を処理します。


“あんず”のコンポートを作る
次に、種を取った“あんず”の重量の半分の水、さらにその水の半分の砂糖を鍋に入れて火にかけてください。

「“あんず”:水:砂糖=4:2:1」だと、だいぶ甘さは抑えられます。
今回、肉料理などの付け合わせや刻んでソースに入れる用にも使うことを考え、かなり甘さ控えめにしました。
“あんず”自体は酸っぱいので、水と同量の砂糖(2:1:1)でも、めちゃくちゃ甘い感じにはなりません。お好みで調整してみてください。
シロップが沸騰したら、“あんず”を投入!




“あんず”のコンポートを冷蔵庫に移し、翌日まで寝かせます。

(翌日)オーブンで半日!“あんず”を乾燥させる
“あんず”のコンポートが出来上がりました。このままでも美味しいので完成としてしまいがちですが道半ばです。
この時点で味を見ると、甘さはだいぶ控えめ(砂糖の量はもう少し増やしても良かったかも?)でした。
さらに乾燥するステップへと進んでいきましょう。
コンポート液から、“あんず”の実だけを取り出してください。

シロップ液は捨てずに取りおけば、他の用途で利用可能。“あんず”の風味が溶け込んで甘さ控えめなので、ジュース、ゼリー、料理のソース、ドレッシング、なんでも使えますよ。

はじめ、上の写真のようにクッキングペーパーを敷いて“あんず”を並べたのですが、水分が多すぎてオーブンの中で全く乾きませんでした。この後、途中でやり方を変えることになります。

“あんず”をオーブンに投入!

2時間後、乾燥具合が遅々として進まないためやり方を変えました。


“あんず”が熟していたせいか、コンポートにしたせいなのか、とにかくクッキングシートの上では全く乾かないので、穴あきのバットに移し替えてオーブンに入れ直したところ、うまく行きました。
使うのは「穴あきバット」が良い
特殊なバットは家庭に無いかもしれません。
ステンレスのザルとかでも良いでしょう。しかしアプリコットが重なってしまわないように気をつけてください。「天ぷら用の油切り網」でも良さそう。
キッチンペーパーは乾燥しづらかったです。
100℃弱で半日はあくまで目安。小まめにチェックを
オーブンで乾かす時の注意ですが、オーブンというのは各家庭で性能が違ったりするので、「100℃弱で半日」というのはあくまで目安と捉えてください。
コツは、最初のうちは10分置きくらいにオーブンの様子を確認して、焦げたりしていないか確認しつつ、温度調節を行うと良いでしょう。
その後、確認する間隔を10分から徐々に広げていくと良いと思います。


この見た目で、かなり乾燥したように見えますが、まだまだ水分を含んでいます。乾燥具合としては7、8割といったところ。
ですが、食感はドライフルーツっぽい感じが出てきたので、今回はここで完成としました。
おさらい:干し杏(ドライアプリコット)の作り方
最後に、作り方をおさらい。
- 熟した“あんず”はやさしく扱う
- コンポートの糖分量はお好みで(4:2:1だと甘さ“かなり”控えめ)!
- オーブンで乾かす時は、大きめのザルか、穴開きバットを使う
“あんず”を大量に手に入れた際にはぜひ挑戦してみてください。
ちなみに、ドライアプリコット(干しあんず)はネット通販でも買えます。
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