イカサマ

魚介の諺

意味

「イカサマ」という言葉は、さもそのように見える、いかにも本物らしいといった意味がある。まがい物あるいは偽物ということ。

まがいものや偽物を売ったり、行為を働いたりする者のことを「イカサマ師」などと言う。

語源、由来

語源には諸説あり、主には次の3つ。

  1. イカ(烏賊)は餌要らずで、色々な方法で釣れるとされたことに由来
  2. 「イカ墨」で書かれた証文が時間とともに消えてしまうことから
  3. 「如何様」と書き、いかようにも見えるという意味から

中でも「3」が一番有力とされる。その場合、実は魚介のイカは「イカサマ」という言葉と関係がない。

「如何(いかが)」に「様(さま)」で「イカサマ」は、元々は「どのように」とか「どんなふうに」の意味があったが、「いかにもその通り」や「いかにも本物のようだ」と、微妙に言葉の意味が変わり現在の「イカサマ」の意味になったとされる。

「2」の「イカは餌要らず」ということが、なぜ「イカサマ」になるか分かりにくいが、たぶん「騙して釣る」みたいなニュアンスが元になっているのではないかと思う。

ちなみに、イカは餌要らずというが、餌木(えぎ)と呼ぶ擬似餌を使って釣るのが一般的。釣るのが簡単そうに聞こえるけど実際はけっこう難しい。「餌要らず」と言われる理由は、旺盛な食性や、自分より体の大きな生き物にも果敢にへばり付くことが由来ではないだろうか。

イカの触手は手?それとも足?イカの不思議な体の構造についても解説しています。

「2」のイカ墨説では、本当の話かは分からないが、江戸時代、イカ墨だけで作った墨汁に似せた詐欺道具(時間が経つと書いた内容が消えてしまうカラクリ)を使って、借用書を書いてお金を借り倒してしまう悪人が居たという話があったようだ。

「いかさま」は方言でもある

兵庫県北部の但馬地方の方言、但馬弁(たじまべん)には、「なるほど」や「本当に」との意味で「いかさま」と言うケースがあるらしい。(豊岡市立図書館より)

また、鳥取弁でも「本当にまあ」とか「なんとまあ」のような意味で「いかさま」と言うケースがあるらしい。(weblio辞書より)他にも香川で使われるという未確認情報も。

イカサマの語源で紹介した「如何様」説では、「いかにも」という肯定の意味があり、但馬弁や鳥取弁と似た方向性を感じる。もしかしたら何かしら繋がりがあるのかもしれない。西日本のいくつかの地方で「いかさま」=「如何様」に似た意味で使われている。

他にもある“イカ”を使ったことわざや言い回し

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