【生姜みたいな芋】菊芋（キクイモ）の正体

見た目が生姜（ショウガ）みたいな菊芋（キクイモ）という野菜。世間の認知度はそれほど高くないように思います。

菊芋は近年スーパーフードとして注目度が高まりつつあり、栄養が豊富であることに加え食感や味が独特なことで一度食べると病みつきになる野菜。

「芋」というけど、ジャガイモとかサツマイモの仲間なのか？筆者自身よく分かっていないこともあるしこの機会に菊芋について調べてみました。

“菊”なの？それとも“芋”なの？案外ショウガの親戚だったりして・・・。

【生姜に似た野菜】菊芋（キクイモ）とは？

菊芋（キクイモ）は生姜（ショウガ）みたいな見た目をしてますが、名前を鵜呑みにすると「芋」か「菊」の仲間のはず・・・。外見と色からして根菜であることは間違いなさそうです。

１１月頃から旬を迎える冬の野菜で皮付きのままシャキシャキ生食や、火を通してあっさりした食感に濃厚な風味を楽しむことができるなど食べ方のバリエーションも豊富。

見た目はショウガ。名前はイモ類？いったい菊芋（キクイモ）とはどんな野菜なのでしょうか？

菊芋は「キク科キク亜科ヒマワリ属」の野菜。つまり「菊」の仲間です。

根っこを食べることができる点はショウガと同じですが「ショウガ科」のショウガとは別種。加えて、ジャガイモは「ナス科」、サツマイモは「ヒルガオ科」、サトイモは「サトイモ科」なので、代表的などの芋の仲間とも言えません。

菊芋の仲間の野菜は？というと、既に言及した食用菊の他、同じ「キク科」の野菜であるゴボウやレタス、キクナも菊芋の仲間と言えそうです。確かにゴボウとは似た方向性の味だと感じました。

菊芋はよく洗って土汚れを落とすと、皮ごとスライスするなどして生食できます。

生食の場合、シンプルにサラダとしてだけでなく、ピクルスや漬物なども相性良いと思います。

プロセッサーで細かくして擦り下ろした「ねばりイモ」などと合わせても美味しそう。

シャキシャキとした食感は菊芋独自のもの。火を通すとホックリとイモ感が増します。

菊芋はゴボウのような独特の土臭い、もとい、アーシーな味がします。食感はゴボウのように硬くはなく生食もできるほど軽いシャキシャキ感。

火を通すとホクホク感が増しますが、どちらかといえば食感は生食のほうが筆者は好みです。

土臭い、もといアーシーな味は火を通すことでマイルドに。ゴボウなどもそうですが土臭い味というのは好き嫌い分かれるもの。苦手な人は火を通して食べると良いと思います。（しかし菊芋のシャキシャキはぜひ味わって欲しいと思うところです）

ちなみに、見た目がショウガに似ている菊芋。ショウガのような辛味はありません。あまりにも似ているのでショウガと間違えて擦り下ろしてしまうこともしばしば。

菊芋に含まれる水溶性食物繊維の「イヌリン」という主成分は、糖質の吸収を和らげる効果があるとされ、血糖値が高くて生活習慣病の恐れがある人には重宝されます。（ただし後述しますが食べ過ぎには注意。）

またデンプンが少ない点も見逃せません。菊芋は低糖質、低カロリーで現代病に対抗する食べ物と言えるでしょう。

栄養価の高い菊芋ですが、食べてはいけない人、食べても良いけど食べ過ぎに注意するべき野菜です。

先述の通り菊芋は「キク科」に属しますので、キク科アレルギーの人や菊芋に含まれるイヌリンという成分にアレルギー反応がある人は菊芋を食べてはいけません。

アレルギーの症状としては口内や喉の痒みという軽傷からアナフィラキシーショックの重症まで幅広く、春菊やゴボウなどで症状が出た人は菊芋も同様に危険かもしれません。

さらに、イヌリンは生活習慣病予防に良いとされる成分ですが、アレルギー症とは別に、摂取しすぎるとお腹が緩くなる場合があるので食べ過ぎ注意です。加えて、菊芋に含まれるミネラル成分“セレン”も、食べすぎると中毒症状が出る場合があるので要注意。

菊芋の１日の摂取量は２０〜３０g程度に押さえましょう。たくさん食べてもだいたい一欠片くらいが目安です。

菊芋は上述のようなアレルギーや中毒に注意が必要ではあるものの、ジャガイモのような毒性が生まれることはありません。

ジャガイモの印象に引っ張られて菊芋のイメージも悪い気がしてしまいますが問題ありません。